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#133 社会はだんだん良くなっていく~カスハラ防止条例
僕が働いている会社はいわゆるBtoC企業なので、お客様(エンドユーザー)からはよくクレームがきます。ま、クレームはいいんですよ。会社が良くなるきっかけになるし、対応をうまくすればその後の顧客との関係性が以前より良くすることもできる。対応次第ではファン化することもできます。
問題なのは、クレームの上を行く、カスタマーハラスメント(カスハラ)。これは従業員の心がすり減るだけで、アフターの関係性の向上は期待できない。「お客様は神様です」を盾に何でもありかといえばそうではないですよね。
じっさいにカスハラに遭って離職する人、メンタルを病んでしまう人も多いと聞きます。私もカスハラにはたまに遭遇します。うつ病が再発したこともありました。そうなったときに、高圧的な客を前に、何もできない。カスハラに遭った従業員を会社は守る義務があります。
では、どこまでがクレームでどこからかカスハラか。答えはシンプルで、「正当な要求か、過剰な嫌がらせか」という1点であると言えます。
クレーム(正当な要求)
企業やサービスに対する合理的な指摘
商品やサービスの品質、対応の改善を求める目的がある
冷静な態度で問題点を伝える
言葉遣いや態度が礼儀を保っている
事実に基づいた指摘をする
(例)
「先日購入した商品に不良があったので、交換対応をお願いします。」
「レストランの料理が冷たかったので、温め直してもらえますか?」
カスハラ(カスタマーハラスメント)
過度な要求や 不当なクレーム
怒鳴る・脅す・暴言 を吐く
従業員の人格を否定する 発言や態度
必要以上に しつこく執拗に クレームを続ける
土下座を要求する・金銭補償を強要する など、常識外れの行動
(例)
「お前のせいで台無しだ!責任取れ!」と怒鳴る
ミスを指摘した後、何度も「納得いかない」と謝罪を要求する
「上司を出せ!お前みたいなやつじゃ話にならない!」と人格を否定する
「こんなミスをされたんだから、慰謝料を払え!」と金銭補償を強要する
もし顧客に対しての反応で心を痛めている方がいらっしゃったら、クレームか、カスハラかを上記を基に判断し、一人で悩まずに上長に相談し、ご自身を守っていただきたいと思います。
この度、全国に先駆けて東京都が「カスタマーハラスメント防止条例」を2024年10月に制定し、2025年4月より施行することを決定しました。
社会はだんだん良くなっています。従業員は悪質なカスハラから守られるべきです。これは一刻も早く、全国に広がってほしいと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。