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想像力の大切さ

初めまして。私は保護司会(熊本県八代地区)のご依頼で、主に中学校を対象にコンサートをさせて頂き、今年で17年目となります。このコンサートは、保護司会と生徒会、担当の先生らを交えて、どんな中身にしようか、その話し合いから始まります。まるで円陣を組んで気合いを入れる感じになります(笑)。保護司会の想いが伝わり、いろんな意見、提案が飛び交います。「ふむふむ、ならば、あの歌を歌おう、あの話をしよう」と私の心の中ではシミュレーションが始まり、もうドキドキ。みんなで中身を決めるって素敵でしょ。これまで回らせて頂いた学校で、同じプログラムだったことは一度もありませんよ。

こうしてみんなで作り上げていくコンサートだからこそ、素直な心になれて、足元に咲いている草花に気が付くように、大切なことに気づき合える。みんなで想像力を働かせることで、互いを思いやる心が芽生えてくる、そんな気がしています。私も、人間って素敵だなって心底感じます。毎回、感じます。コンサートの素晴らしさは、みんなでフラットな心になれるところにあるのかもしれません。

さて、このコンサートで伝えている大きなメッセージは命の大切さ。
沢山の命のバトンがあって、今、あなたの命がある。自分だけの命じゃない。
頭を使って、お互いの命を大切にしていこうってこと。
頭を使って仲良く出来る人が頭の良い人。頭を使って誰かをやっつけようとする人が頭の悪い人。そして最も頭の悪い人は頭を使って誰かを殺そうとする人だよって。
 
頭を使って、つまり「想像力」を使って「明るい方へ」自分を導いていく。ユーモアを使って明るい方へ引っ張っていく。そんな心の使い方をしていたら、犯罪へ向かうはずがない。私はそう信じています。
心の中の想像力を働かせることの大切さです。
 
こうしたコンサートは、保護司会の皆さんに「むたゆうじさわやかコンサート」と命名されました。昭和31年生まれの私としては、少し照れ臭い(笑)。もはや愛おしい孫たちに想いを語るような心境。否が応でも高まる感情を、必死に抑えながらの歌や語りになって、きっと遺言を言い渡すような物凄い雰囲気になっていることもあるかも。いや、あります、たぶん(笑)。
でも、若い頃から歌ってきた人生へのメッセージソングを、ようやく躊躇なく歌える気もしていますし、新しい歌も生まれてくる。そのチャンスを頂いていることが有難いです。

保護司会や色んな人たちの想いを、例えば赤い花を一輪手渡すように、誰かに届けられたら。と言っても、実際のコンサートは、一方的に想いを届けるばかりではありません。保護司会、先生や生徒、保護者、皆さんとのキャッチボールのような触れ合いの中、毎回、新しい気付きや感動があって、私自身、生きる喜びを頂いています。きっと、コンサートに関わる一人一人が何かを見つめる大切な時間になっていると信じています。

想像力って大切ですよね。
 
更生保護 令和5年4月号 「ずいそう」 より

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