【短歌日記】2023.10.17〜11.7
大空に囲まれひとり風をみるそうだ私も一本のススキ
絶望の腹にカレーを流し込む怒る暇なく泣く暇もなく
「ママあげる」赤い実渡し学校へ離れたくない気持ち託して
窓の下なくしたはずのイヤーカフ自分を責める夕暮れ時に
スーツ着てオフィスカジュアル着こなして朝を行く人見ている私
人は皆それぞれ違う星に住む友人恋人家族でさえも
今日もまた迷路の中を走ってくアクリル板にぶつかりながら
青空とスピッツの歌信じれば空を飛べるか美しい鰭で
気がつけば君への短歌考えて指を折ってるバカみたいだね
お願いよ私以外と幸せにならないでいて「お幸せにね」
日曜日あなたの言葉待っている「夕飯くらい俺が作るよ」
はちみつを溶かしたような秋の空口に含んで冬眠したい
轟音の翼を広げ弧を描く魔法じゃきっと叶わないもの
どうやって生きていこうかこれからをキンモクセイの季節は終わる
ミニチュアになった我らに山迫る木々は黙って空を見上げる
夢に君現れ心乱される忘れさせてよ被害者のふり
日差し浴び紅葉(こうよう)の過程空染める紅葉(もみじ)のプリズム紅葉(もみじ)のプリズム
散る雨に怯え家路を急ぐ暮れ透明人間長靴忘れ
雨の朝朝顔広げ歩く子の背丈の分だけ思い抱えて