バッハ エピソード30 宇宙を旅するブランデンブルク協奏曲
バッハのケーテン時代(1717-1723年)の有名な協奏曲といえば、6曲からなる《ブランデンブルク協奏曲BWV1046~1051》。《ブランデンブルク》の自筆譜は1721年3月24日付でブランデンブルク辺境伯クリスティアン・ルートヴィヒ(プロセインのフリードリヒ1世の弟)に捧げられたものです。
この第2番ヘ長調 第1楽章が1977年アメリカの宇宙探査機ボイジャー1号&2号に搭載されたゴールデンレコードに収められています。演奏はミュンヘン・バッハ管弦楽団 指揮者 カール・リヒターです。
高らかに歌うトランペットが印象的な第1楽章です。トランペット、リコーダー、オーボエ、ヴァイオリンという高音域のみの珍しいソロ・グループを弦合奏に輝かしく対抗させた明るく気持ちのいい1曲です。
クラシック音楽からは、J.S.バッハの《ブランデンブルク協奏曲 第2番》を筆頭に、モーツァルト、ベートーヴェン、ストラヴィンスキーの名曲が選ばれています。
レコードに収められた内容は、115枚の画像と波、風、雷、鳥や鯨など動物の鳴き声などの多くの自然音や様々な文化や時代の音楽、55種類の言語のあいさつ、ジミー・カーター大統領と国際連合事務総長クルト・ヴァルトハイムからのメッセージ文なども加えられています。
ボイジャー探査機は今も宇宙空間を飛行中です。ボイジャー探査機が太陽以外の恒星近傍へ到達するには4万年を要するため、もしボイジャーの方向に地球外知的生命体がいたとしても、そこに到達するまでには長い時間がかかります。それでも4万年後を想像して期待してしまいますね。
さて、突然ですが、アンクルバッハからクイズです
このゴールデンレコードの素材は何でできているでしょうか?
1. 金
2. 銀
3. 銅
答えは、3の「銅」です。
レコード本体は金メッキされた銅製です。レコードカバーはアルミニウム製で、その表面は、超高純度ウラン238で覆われているとのこと。このレコードを受け取った文明は、同位体組成を解析することにより、いつごろ収録されたかが分かるようになっているそうです。すごいですね。