バッハ エピソード29 再婚
1721年12月3日、バルバラが急逝してからおよそ1年半後、宮廷歌手として当地にやってきたアンナ・マグダレーナ・ヴィルケと再婚します。
彼女は当時20歳でバッハより16歳年下のソプラノ歌手でした。バッハは彼女の美声に惹かれたのかもしれません。結婚10年を過ぎた頃、友人に宛てた手紙でバッハは妻のことを「とてもきれいなソプラノを歌う人だ」と書いているからです。
挙式は侯の命令によって、教会ではなくバッハの自宅で行われました。バッハは年収の5分の1にもなる披露宴用の大量のワインを購入し、16歳年下のマグダレーナのために盛大なお祝いをしました。
マグダレーナは歌手としての才能を当面職場で生かしながら、家事と連れ子4人の育児を引受け(同居していた先妻の姉フリーデレーナとひとりの女中がそれに協力していました)、バッハとの間に、13人もの子供をもうけます。
そして時間をみつけては夫の作品の写譜を手伝い、その筆跡は、やがて、夫のそれと見違えるまでになっていました。特に《無伴奏チェロ組曲》は長い間、バッハの自筆譜と思われていたほどです。
とても仲の良い幸せな夫婦だったのではないでしょうか。
さて、突然ですが、アンクルバッハからクイズです
妻アンナ・マグダレーナの趣味は何でしょう?
1. 読書
2. ガーデニング
答えは、2の「ガーデニング」です。
ライプツィヒ時代にバッハ家に同居し、バッハの手伝いや子供たちの家庭教師をつとめた親族のヨハン・エリーアス・バッハ(1705~1755)のいくつかの手紙を読むと、アンナ・マグダレーナが大の花好き、小鳥好きであったことがうかがえます。
家族の世話、来客を接待するだけでなく、鳥に餌をやり、草花に水をやって毎日を過ごした明るい女性であったのでしょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?