The Washington Post 記事紹介 早期音楽教育は後年の聴力低下を防ぐ
2015年の記事だけれど、見つけてしまったので紹介。子ども時代音楽トレーニングを受けていると、壮年〜老年期の聴力、特に音声に対しての聴力が保たれるらしい、という内容。
Early music training prevents loss of listening skills later in life
日本語要約はこんな感じ。
55〜75歳の大人20人に対し、ランダムな音声を、どのくらいの速さまで認識できるか、脳波を測って実験。半数は若い頃音楽トレーニングを受けており、半数はなし。
普通、年齢に伴って、音声を認識、理解する聴力は低下するが、楽器経験者は未経験者より、20%速い音声を認識出来た。これは音楽訓練のが認知機能の低下を防いでいるのでは。
音楽家の高齢者は、そうでない人々より、2〜3倍、音声に対し脳の反応が優れている。音楽家の脳は、より細かく、はっきり、正確に音声信号を捉える。従って音声認識がより繊細に出来る。
14歳前に正式な音楽トレーニングを開始し、少なくとも10年は継続すると、脳にとって最もプラスの変化が起こる。この研究は人生の後半になって音楽を学ぶことについては触れてないが、あらゆる年代において、楽器を学ぶことが、脳の健康に有効かもしれない。
他の研究。子どもが楽器のトレーニングをするほど、より注意力が増し、不安や感情バランスのコントロールが上手くなる。そして6〜8歳が、運動技能面、感覚知覚面両方において、長期的な良い影響を及ぼす、音楽トレーニングに最高の年齢。
という内容だ。これを読むと、やはり早期教育だ、と考えるかもしれないが、老年期のことを考えて若い頃に楽器を習うというのは、目的として寂しく感じる。そして、音楽家が音声に対しての脳の反応が優れているのと同様、他の分野のスペシャリストにはそれぞれの、優れた能力があるに違いないのだ。音楽家の場合は音声だというだけのこと。
個人的には、本人がやりたい気持ちが強ければ楽器をやるのが良いと思う。子ども時代の「好き」は、純粋で強烈。だから大人より速く習得してしまうのだ。年齢を具体的に示されると、何かとそれにこだわりがちだが、おそらくこの辺りの年齢は最も、自分の「好き」を追求出来るとき。音楽に限らず、スポーツでも勉強でも、最も伸びる時期だからだ。楽器が好き、という場合は、もちろん楽器を!