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#125 2024 なぜかシングルTOP 5!

服部さんへ、そしてグラミー賞に興味のある読者の方へ

 あけましておめでとうございます。2024年はコロナからのノロウィルス感染という、最悪なスタートだった僕も、無事に新年を迎えることができました。2025年もよろしくお願いいたします。
 グラミー予想、拝見しました。僕の希望としては、Record Of The Yearは、ここはひとつビートルズの「Now and Then」か、黒人のディスり曲の受賞も痛快なので「Not Like Us」(ケンドリック・ラマー)に獲ってほしいところ。Album Of The Yearは、いい加減にビヨンセを選べよという意味で『COWBOY CARTER』、Song Of The Yearは、MVのガガのくわえ煙草演出以外は秀逸な「Die With A Smile」(レディー・ガガ&ブルーノ・マーズ)、Best New Artistは、どちらもよく聴いたベンソン・ブーンかクルアンビンにぜひ、という感じです。
 でも結果的には、サブリナ・カーペンターとチャペル・ローンが大勝ちするような気が。ならば僕は、チャペル・ローンにあげたいですね。クィアである彼女と、パニック障害&HSPである僕では、語る次元が違うことは承知で、少なからず生きづらいという点で勝手に共感して、応援しています。
 さて今回、僕は2025年一発目の番外編として、あえて2024年のシングルTOP 5、それも収録アルバムをここで取り上げていない楽曲を挙げてみたいと思います。まったくもって、お気楽なチョイスですが、よろしくお付き合いのほどを。


2024  シングルTOP 5

🎶「APT.」/ロゼ&ブルーノ・マーズ

 楽曲はもちろん、アートワークも、MVも衣装も最高です。なんでも、韓国にアパトゥというゲームがあることを、雑談でロゼから聞いたブルーノ・マーズが、「それ曲にできんじゃん!」と、あっという間に作っちゃったと言うのだから、才能というやつは本当に恐ろしい。

 メロディのキャッチーさにしても、身も心も踊らせるビートにしても、タイトル・フレーズの繰り返しによる耳を奪う語感にしても、ただただ圧巻。こういう破格に瞬発力のある楽曲は、練って練ってというよりも、ひらめきみたいなものなので、できるんですかね。凡人には知る由もないけど。


🎶「Too Sweet」/ホージア

 何を隠そう、いや、何も隠さないのですが、2024年に僕が単発で一番聴いたのが、これ(のはず)。作風こそ地味ですが、聴けば聴くほどまた聴きたくなる、中毒性が極めて高い魔法のような楽曲です。

 ライヴ主体のMVもよくて、特に若いカップルが目を爛々と輝かせてシング・アロングしている場面が、プリミティヴながら音楽の、ロックの本質を伝えている気がして、逆に新鮮でした。
 MVも含め、取り立てて目新しさがあるわけでもないのに、異例のロング・ヒットを記録しているのは、この楽曲の普遍的な美しさのなせるわざなのかなと、うれしく思う今日このごろでもあります。


🎶「Hot To Go」/チャペル・ローン

 これは、楽曲そのものとMVの映像の、あまりのキャッチーさにハマりました。だって、この振り付けですよ!

 本人はもとより、このMVの監督は、西城秀樹のお化けヒット「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」(オリジナルはヴィレッジ・ピープル)の振付けを、知っていたのか? チャペル・ローンにインタビューする機会があったら、ぜひ聞いてみたいものです。

 もしや、「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」に対抗して作られた、海援隊のこっちを知っていたりして!?    名曲だと思うので、ご存知ない方はお見知りおきを。カヴァー・ユニットの映像ですが、冒頭の本家にご注目!



🎶「places to be」/フレッド・アゲイン& アンダーソン・パーク

 エレクトロ/ダンス部門なら、これでキマリ。自らハードルを上げてしまうのを承知で、とにかくMVを観てください。ヤバすぎます。ぶっ飛びます。

 初めてこれを観た時、まさに目が点。……からの感動、興奮、熱狂、歓喜の雨あられでした。アーティストって、ミュージシャンって、本当に本当に素晴らしいなと。夢がかなうのであれば、当事者になってみたいものです。どんだけ気持ちいいいのかな。いやもしや、こんなの朝飯前なのか?
 個人的には、アンダーソン・パークという人のイメージが、とてもいい意味で変わった作品でもありました。


🎶「A Bar Song (Tipsy)」/シャブージー

 2024年はカントリーづいていた僕なので、最後はこれを。と言っても実際は、たとえばノア・カーンやザック・ブライアンにしてもそうなのですが、いわゆるカントリー・ミュージックという文脈ではなく、普通にロックやヒップホップを聴くような感覚で入って、気づけば……という流れでした。正直、カウボーイハットの世界も、よくわからないし、そもそも日本人には、本質をなかなか捉えきれないのではないかとも思っています。

 生理的にというか、もともとアコースティック・サウンドが好きなこともありますが、やっぱりメロディに惹きつけられるんですよね。無意識にサビを鼻歌で歌っちゃっていたりするし。
 それと、音楽が、歌が生まれてきた必然性を感じるというか、作られた感がないというか、何か純粋なものとして耳と心に届いてくるんです。カントリーには批評精神がない的な批判も、音楽ジャーナリズムにはあるようですが、僕にとっては愛すべき1曲です。まあ、自分の単純さとの“純”つながりということで。

以上、長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
                              鈴木宏和

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