むしょく

しがない事務員です。 不定期でイラストや考えたことをあげていきます。

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マガジン

  • 【イラスト小説】マーモットとの暮らしシリーズ

     ひとり暮らしの「私」と外国からやってきたニートの「マーモット」の暮らしを描く、イラストを添えた小説です。イラスト、文章ともに拙い部分があるかと思いますが、温かく見守っていただければ幸いです。

最近の記事

うつで辛い時に効くかも?私的おすすめ映画3選

 こんにちは、むしょくと申します。  普段はしがない事務員をしていますが、実は10年近くうつ、不安障害、自律神経失調といった症状とともに生活してきました。休職も経験しており、今回はそんな絶不調期に私を支えてくれた映画をご紹介したいと思います。  特に映画に詳しい訳ではないので、有名どころばかりじゃないか!って感じかもしれませんが、ご容赦くださいね。 おすすめ映画を紹介する前に ここを見てくださっている方のなかには、今まさに苦しみの真っ只中にいらっしゃる方もいるかもしれません

    • 【イラスト小説】マーモットとの暮らし⑦意外な一面

       彼が来てから2週間が経った。  平日は仕事でなかなか彼に構ってやれていないが、彼なりにこの滞在を楽しんでいるらしい。私の本棚から漫画や雑誌をとってきて読んだり、テレビを見たりしているようだ。  彼は私が出勤する頃にはまだ寝ており、私が帰ってくると決まってクッションの上で頬杖をつきながら出迎えてくれるのだが、毎日このような具合なので、それが少し気がかりになってきた。  彼の母親曰く、働かずにフラフラしているとのことだったが、日本に来ても全くその通りのようだ。どこかへ一人で出か

      • 【イラスト小説】マーモットとの暮らし⑥最初の晩餐

         やっとこさスーパーから家まで帰ってきた。  スーパーから自宅までは比較的近いといえども、私の歩速で15分ほどかかる。マーモットの歩速だと倍近くかかってしまう。彼はスーパーを出て5分ほど歩いたあたりで疲れがピークに達したようで、立ち止まってしまった。無理もない、長距離のフライトと電車移動だけでも相当体力を消耗しただろう。そこから私は荷物を全て彼のキャリーケースにまとめ、彼をおぶって自宅まで歩いたのだった。  誰かをおぶったのはこれが初めてだ。空は少しずつ暗くなっており、少し肌

        • 【イラスト小説】マーモットとの暮らし⑤買い物

           私たちは空港を後にし、自宅近くの大きめのスーパーで必要なものを買うことにした。  プラットホームに降りた時、ちょうど次の電車が入線してきた。ドアが開き、私は乗車しようとするが、彼は点字ブロックの上で止まっている。どうしたのか尋ねると、電車とホームとの隙間が彼の足には大きく、怖かったらしい。彼のスーツケースを先に載せ、彼の両脇を抱えるような形で抱いて一緒に乗車した。  空港始発の電車で、乗客はそこまで多くない。端の席が空いていたので、私は端から2番めの席に腰掛け、彼に端の席

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        • 【イラスト小説】マーモットとの暮らしシリーズ
          7本

        記事

          【イラスト小説】マーモットとの暮らし④対面

           私が到着ロビーへ降りてきたとき、ぽつぽつと搭乗客がロビーへと出てきているところだった。国際線だから入国審査などで少し時間がかかることは予想していたので、気長に待つことにした。  ロビーへ来る途中で買ったコーヒーをすする。今度のは酸味は少し物足りない気がするが、なかなかいける。最近はどこでもそれなりに美味しいコーヒーが飲めるようになって、有難い限りだ。  コーヒーは好きなのだが、あまり飲み過ぎるとお腹を下す体質なので、気持ち控えるようにしている。だが、手持ち無沙汰になると、

          【イラスト小説】マーモットとの暮らし④対面

          【イラスト小説】マーモットとの暮らし③出迎え

           検疫やらなんやらの手続きを済ませ、ようやく彼が日本にやってくる日が来た。検疫の手続きが特に面倒で、書類を用意したり役所に申請したりと慣れない手続きばかりで大変だった。齧歯類は入国が特に厳しいらしい。彼の場合は運良く申請が通ったが、申請が通らないことも多々あるらしい。  日本でマーモットとの同居なんて本当にできるのだろうか。これだけで先が思いやられた。  彼は昼過ぎのフライトでやってくるらしい。  朝食をとり、身支度を整えて10時過ぎに家を出た。空港なんて行くのは何年ぶりだ

          【イラスト小説】マーモットとの暮らし③出迎え

          【イラスト小説】マーモットとの暮らし②引っ越し準備

           マーモットと暮らすことが決まってから、私は自宅で彼を受け入れるための準備をはじめた。  部屋中に乱雑に置いてあるものたちをあるべき場所に収納し、埃をはたきで払い、掃除機をかけた。押し入れを整理し、彼の寝床となる下段のスペースを水拭きした。そこで気が付いたのだが、上段には私の服などが置いてあるので、マーモットの体臭が服に移らないか心配になった。彼には少し悪いが、念のため消臭剤を置いておくことにした。  とりあえずひと通り片付けが終わり、部屋を見渡す。私は実家を出てから誰か

          【イラスト小説】マーモットとの暮らし②引っ越し準備

          【イラスト小説】マーモットとの暮らし①旧友からのしらせ

           随分長い間連絡をとっていなかった知人から、突然メールがきた。懐かしさを感じつつ、メールを開いてみると、息子をしばらく家に置いてくれないかとのことだった。彼女ももう母親になったのだなあと感慨に浸る間も無く、驚きのあまりそっとパソコンを閉じてしまった。  私は若い頃バックパッカーのようなものをしていた時期がある。彼女とは、とある国の山岳地方を訪れた時に出会った。貧乏で満足な宿賃も持ち合わせていなかった私は、彼女とご両親のご厚意に甘え、彼女の実家で数週間お世話になったのだ。帰国

          【イラスト小説】マーモットとの暮らし①旧友からのしらせ