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東京ヤクルトスワローズ観戦エッセイ

ヤクルトが勝った日も、負けた日も、打った日も、打たれた日も、ノーノーの日も、(ほぼ)毎試合、観戦エッセイをアップします。勝った日は喜びを倍にし、負けた日は悲しみを半分…いや8割……
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2021年4月の記事一覧

【4/28巨人戦●】私が目にするヤクルトは、ほんの一部だからこそ

なんといっても、こちらにはトラウマがある。「信じる者は救われる」というのはそういえば一体、どういう文脈で言われたものだったのだろう。無宗教の私が信じるものなどこの世にあるのだろうか。ぶつぶつぶつ。 つまり、5連勝(5連勝…!)のあとの2連敗に、しかもこの巨人戦での2連敗に、私はまたもや弱気になっているのである。弱気MAXである。 4月、それはいつも「ああ4月に戻りたい」と思わせる月だった。5月、それはいつも「この人たちはもうゴールデンウイークの間一回も勝たないんじゃないか

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【4/27巨人戦●】野手のピンチを救ったのは、ほかでもない投手陣の粘りだったのだから

村上くんはベンチで、ポン、と手を叩いた。「よし、また明日。」とでも、言うように。 そうだ、そのとおりだ、と、私は思う。こんな試合こそ、「また明日」と、立ち上がって前を向くしかないじゃないか、と。 どれだけ点をとられても、野手陣は何度も何度も点を取り返した。取っても取られたけれど、取られても取り返した。ここのところよく見る、なんかもうどうしたんだみんなという、あの粘りが今日も現れた。何度も何度も、同点の一打を誰がが打った。 だけどその粘りは、この試合まで、投手陣が粘りに粘

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【4/25中日戦◯】ビールのない、神宮で

「あれもしかして、私が向かっているのは、ビールのない神宮なのでは…?」と、ようやく気づいたのは、外苑前の駅を降りてからだった。 神宮で飲むビールとウーロンハイ分のカロリーを、ちゃんとあすけんで計算して、余裕があるように残していたのだ私は。私のカロリーをどうするんだ百合子!!! と、いうわけでビールのカロリーはすべて、「つばくろうの抹茶ティラミス」に充当した。ああビールが飲みたい。 ビールのない神宮なんて、カツのないカツカレーのようなものである。…よくわからないけど。

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【4/24中日戦◯】何度も何度も、このチームを好きになってよかった、と思う

サヨナラのいいところは、みんなが報われるところ。 悔しそうにマウンドを降りたなっしーも、初失点をしたマクガフも、2ランを打ったてっぱちも、チャンスで打てなかった塩見も、みんな、みんな。 みんながさいっっこうの笑顔で、サヨナラを打った誰かを迎え入れる。 その笑顔が、この世で一番好きなものかもしれない、とさえ、私は思う。

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【4/23中日戦◯】数え切れないほどのファンの思いをのせて

ごきげんで飲みながら「てっぱちの調子はなかなか上がらないねえ…」と言った瞬間、てっぱちはかんっっぺきなホームランを打った。

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【4/22広島戦◯】もうとにかく、野球を楽しんでいこう、と思う

この記事は有料マガジン内ですが、誰でも全文無料で読めるようになっています。 連休の試合が無観客試合になる予定らしい。 思うところは山のようにある。その決定を下すのであろうえらい人たちは、この一年間、球場に一度でも来たことがあるのかね、と思う。球場も球団も選手もスタッフもとにかくみんながありとあらゆる知恵を総動員し、感染対策にめちゃくちゃ気をつかいまくり、ファンは(相手チームに)やろうがやられようがお行儀よく観戦し、応援歌も歌わずハイタッチもせず、そうしてありとあらる対策を

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【4/21広島戦△】石山がそこで一人、戦うその姿が

石山のマウンドの表情に、自信があるのかないのかなんだかよくわからないけれどもとにかく画面のこちら側からも祈らずにはいられないその表情に、いつしかなぜか、励まされている自分に気づく。そこで一人、何かと戦うその姿が、孤独であるはずのその姿が、ここにいる私たちを、鼓舞していく。 そこはとても、不思議な場所だ、と思う。 ♢ 「石山はさ、ランナーを背負ったときのほうが、被打率ががくんと下がるのよ。だから、ランナー出しても、大丈…夫…」と、息子がデータつきの選手名鑑を片手に励まして

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【4/20広島戦◯】トラウマにめげずに、その1点を守り抜くこと

森下の日は、どうしても勝てなかった。村上くんはオフのなにかの番組で「まったく打てる気がしない」と言っていた。苦手なもの、というのは誰にだってある。 だけどもちろん、苦手なものを、避けては通れない。 甲子園で連敗し、そして連敗するたび私は「ああまた来てしまうのか大型連敗が」と、身構える。その感覚はトラウマのように、いつもいかなるときもつきまとう。連敗のあの、なにをやってもうまくいかない気がしてしまう、がんじがらめになるあの感じはいつまでも、心の奥でうずくのだ。

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【4/18阪神戦●】完成と思ったものがまた、変化していく中で

エースライアンが6失点(6失点!!)という時点で、私はもうわかりやすくさじを投げた。目の前にさじがあれば窓から放り投げていたと思う。なくてよかった。あったら大変なことになっていた。ぶん投げていたかもしれない。 こうなるとあとはもう、どうやって点を取るかである。正攻法では難しい。すなわち…

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【4/16阪神戦●】カツオさんと、藤浪と。

カツオさんは今日も、「いつもと同じように」、一人ひとりしっかりと、打者と向き合っていた。 オープン戦で、チームとファンが抱いたであろう不安を、一つずつ取り除いていくように。 私はもう、その姿を見られるだけで十分だ、という心持ちに達していた。強いて言えば阪神さん、今日はもう0-0ということで良いのではないでしょうか・・・と。

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【4/15横浜戦◯】試合にはいろんな景色があり、球場にはいろんな楽しみ方がある

たった30分早まっただけなのだけれど、この30分の差がどうも大きい。試合開始が17:30になってからというもの、試合開始に間に合ったことがなんと、一度も、ない。 なんせ3月の終わり頃からなぜかずっとバタバタしていて、どれくらいバタバタしているかというと、ヤクルトのチケット発売にまったく気づいていなかったくらいである。気づけば発売日は過ぎ、こどもたちのキッズ会員のアカウントでとろうとすると、なんと、まったく空きがなかった。なんということ。なんて人気球団。 とにかくチケット発

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【4/14(水)横浜戦◯】てっぱちがいるヤクルトを、応援できること

えらいなあと思うのは、金久保くんが2回も同じような形で勝ち投手の権利がするりとこぼれ落ちていったのに、それでも今日もいつもと同じように、安定した投球をみせてくれたところだ。 怒りもせず拗ねもせず逃げもせず。私ならすっかり心が折れてしまうと思うのに。 それを見ていた先輩たちは、今日こそはみんなで踏ん張った。塩見は2ランを打ち、そして我らがてっぱちキャップは12球をねばった上でホームランを打った。 12球も粘ったら、粘り勝ちでそこは四球を選ぶのかなと思いきや、そんな甘いもん

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【4/13横浜戦◯】打ち続けたその姿をしっかりと覚えていよう、と思う

ケリーが嵐の歌に乗せて打席に出てくると、私はなぜだかまったくわからないのだけれどもいつも、どうにもこうにも泣きそうになってしまう。 なんでなんだろうか。特に嵐のファンだとか、あの歌が好きだとか、そういうわけではないのだけれど、名前も知らないあの曲とともにケリーが出てきて、ベースの隣に立ち、素振りして打席に備える姿になぜかいつも、心が揺さぶられるのだ。 なんというかその景色はすごく、神宮に似合うな、と思う。嵐の歌も、ケリーの素振りも。

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【4/11中日戦●】今だからこそ訪れたその経験が、並木くんを成長させますように

逆転の大きなチャンスが目の前で逃げて行った時、その瞬間はへなへなと力が抜ける。こういうへなへなを昔の人は「落ち込む」と言い表したのかもしれない。 だけど時間がたってみると、それは大きな大きな、経験になったんだよな、と思う。これは並木くんにとっての、大きな経験だ。 9回表、一点差、あのチャンスの場面で同点のランナーとして本塁を狙う役割がルーキーの並木くんに訪れたのは、チームがこの緊急事態だったからこそ、とも言える。それはなかなかできない経験だ。それが成功したとしても、失敗し

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