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懺悔❷

【昆虫エッセイ】
ここに懺悔します。

わたくしは、虫のことなんてこれっぽっちも知らないくせに、自らを虫好きだと公言し、あたかも今まで生きてきたウン十年間を虫とともに歩んできました、的な顔をして、しれっと毎日虫の写真を投稿し、たくさんの虫アカウント先輩方の写真に『可愛いですね🥰』なんて“したりコメント”していたことをここに懺悔します。

以前も懺悔しましたが(イシカワハキリバチの記事)悪いと思ったら秒で謝るのが信条です。

何故こんなことになったかというと、先日の虫探索でのことです。

この日は、人っ子ひとりいない小川沿いを探索し、それはもう大豊作でした。

◈メタリックカラーがかっこいいハンノアオカミキリ(初めて見た)
◈恥ずかしがり屋のヒメギス
◈おじいちゃんみたいなハエトリグモ
◈カメムシの幼虫たちの幼稚園
◈あまりに人の気配を消して接近しすぎ、驚かせてしまったオシドリの旦那さん

などなど。

それはそれは楽しくて、鼻歌を歌い、『どこ行くのー、待ってー、私も行くー!』などと独り言を言いながら蝶を追いかける怪しいアラフォー女の私は、

『一日でこんなに生き物に会えるなんて、なんというラッキーな日だろう。なんか珍しいのもいたりして。しめしめ。』

と、浮かれ気分で河原に腰を落としました。

持参したポケット図鑑「札幌の昆虫」とインターネットで撮影した昆虫たちを調べていくと、『日本全国で最もよく見られる種』という言葉がずらり。

ここで、何ということか、私はがっかりしてしまったのです。

『なんだ、いっぱいいるやつか。』

はい、ここで懺悔ポイント①
✔心のなかで、生き物に優劣をつけてしまい申し訳ございませんでした。

ただ珍しい虫を見つけるためではなく、たとえその辺にいるハエでも、アリでも、私自身が見て感動し、愛おしいと感じたことを記録として残すために、このアカウントを作ったことをすっかり忘れていました。

何にでも、どんな生き物にでもワクワクしたい、その気持ちを忘れないようにします。

はい、そして懺悔ポイント②
✔今までウン十年間、『好き』と言いながらも、あなた方に真剣に目を向けずにいたこと、大変申し訳ございませんでした。

たくさんの生き物に出会えて『今日は豊作だべさ!』と思いました。

これは、単に私が今まで、いつもそこにいる昆虫たちに目を向けていなかっただけのことでした。

昨日は、周りに誰もいなかったので、人様の怪しむ視線を感じずにゆっくりと探索することができました。
普段は通り過ぎるような枯れ木の隙間や、落ち葉の陰、少し高みにある葉の裏表。

そこに彼らはいました。
本当は、彼らはずっと、そこにいました。

こんなにたくさんの生き物がいることは、そこに目を向けてみないとわかりません。

今までどれだけ通り過ぎ、知らず知らずのうちに踏んづけて生きてきたんだろう。

もしかしたら、次の一歩の下にも、小さな生き物がいるかもしれない…

と思ったところで、『※私の足は地についていないのだった』ということを思い出し、胸を撫で下ろしたのでした。

※ジャノメチョウの幼虫記事を参照。 

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