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アラフォー叱られる
【昆虫エッセイ】
これなんのアブだっぺか?
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なんでもいいけど、カッコいいから載せちゃう。
週末、母にこっぴどく叱られた。
まさかこの歳になって、スズメバチを巡ってこんなにも叱られるとは思ってもいなかった。
お寺参りのため帰省すると、お岩さんのような顔の母が出迎えてくれた。
左のこめかみあたり(と右手背)を前日蜂に刺されたらしい。
「畑やってたらまたやられちゃった。多分スズメバチ。痛痒い。お母さん、そのうち死ぬんでないかい。」
なんて言いながら笑ってた。
母強し。
さて、事の発端はブーーーン鳴り響く重低音だった。
実家の自室で本を読んでいると、階段踊り場の方からただならぬ羽音が聞こえた。
ハエではなさそうだ。
ドアを開けて見に行くと、はめ殺しの窓に豪快にゴンゴンと突進しているスズメバチがいた。
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離れていてもわかる大きさ。
4cmはありそうだ。
先日も同じようにこの場所でモンスズメバチを見つけて捕獲したが、その大きさとは比べ物にならない。
お尻に紋がなく、この巨大さから見て恐らくオオスズメバチ。
怖いよ!流石に!
パニックになってるし!
一瞬殺虫スプレーのことが頭をよぎったが、昆虫殺戮兵器搭載の母と違って私は虫には優しい。
なんとかお互いに傷つけ合わずに平和解決したかった。
そこで登場したのが、前回モンスズメバチを捕獲したときにも使った、裏側がシリコン加工された美容手袋。
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↑これはその時のモンスズメバチ
皮膚をツルピカにしてくれる用途では使ったことがない。
スズメバチ捕獲用と化している。
右手に手袋を装着し、意を決して窓に近づく。
まだ気づいていないようだ。
分厚い手袋を貫通して刺さないとも限らない。
でもやるしかない。
ぶつかるのを止めたところを見計らって、一気に行った。
グヮシッ!!
手中に収まる。
手の中でブーーンといっている。
やだ、怖い。
走る。窓へ。
ヤバい、窓開けておくんだった。
カーテンをくぐり、窓を開け、手のひらを開き、外に投げつけるようにリリースした。
「助かった……」
お互いにそう思ったに違いない。
この武勇伝を、畑から帰ってきた母に聞かせた。
すると、突然叱られた。
「お母さんがこんな顔になってこんなに痛い思いしてるのに、なんで殺さないで逃がすのさ!」
えぇぇ?!
母を刺したスズメバチとさっきの人🐝は別人なのに、その恨みをさっきの人🐝にぶつけなきゃいけなかったんですか。
困惑した表情で母を見つめると、母は続けた。
「もし今度スズメバチに刺されたら、あんたのせいだからね!」
えぇぇぇ!?
そんなことってありますか。
私も、オオスズメバチも、#とんだ大やけど
私は、もちろん謝らなかった。
だって彼らも生き物だもの。