《まえがき》私と生き物との出会いの話
そういえば自己紹介のようなものをしていなかったと気がついた。
私は、昆虫、爬虫類、両生類、鳥類…とにかく生き物が大好きな女である。
『虫って、そのへんにウジャウジャいっぱいいて気持ち悪いし、好きな人の気がしれない』
なんて思うかもしれない。
そんな私にも苦手な虫はいる。
ムカデとか(北海道にいないけど)
ゴキブリとか(北海道にいないけど)
でも、そんな忌み嫌われる虫たちは、私達人類よりも先に地球上に生まれ、進化を遂げたり、はたまた進化せずにほぼそのままの原始的な姿で残っていたりする、知れば知るほど、神秘的な生き物なのである。
私の昆虫に関する一番古い記憶は、3歳まで遡る。
その年に大発生したマイマイガの幼虫の集団を、素手で片っ端からぶっ潰している、という記憶だ。
夢ではない。
話を盛ってもいない。
当時、オンボロ木造長屋に住んでいたのだが、その外壁をたくさんの毛虫が這っていた。
それを、猪木の闘魂注入ビンタ並みの力強さで叩き潰していった。
潰しながら笑っていたのを覚えている。
カオス。
手を緑色の汁だらけにしている私を見て
『なにしているの…😧』
と言った母の完全にドン引いている顔が忘れられない。
幸いカブれることもなく、母に諭されたことで
『なんでかなー、でもつぶしちゃダメなんだなー、なんでかなー』
と、“毛虫を潰す”という遊びはたったの一日で終わりを迎えたのだった。
そこからが私の虫、生き物、自然と戯れる毎日の始まりだった。
『あんたと外を歩いたら大変だったのよ。ちょっと歩けば止まって、これ何?あれ何?って聞くし、動いてるものがあれば追っかけて捕まえるし。どんな子に育つかと思ったわよ。』
母は言った。
こんな子に、育ちました。
今も全く同じことをしていますよ、お母さん。
あなたの娘は、今でも虫を追いかけて生きています。
潰さないけど。
約40年間も生き、その間数え切れないほどの虫を見てきたのに、私は虫についてびっくりするくらい何も知らなかった。
世界にこんなに多くの虫がいること。
私の嫌いなヘップリ(カメムシ)だけで日本には約100種類もいること。
皆さん、夏の風物詩の蝉が『カメムシ目』だって知っていましたか?
この数ヶ月、虫を探し、写真を撮り、調べる中で、虫のあれやこれやを少しずつ学んだ。
虫を見ていると、心の奥底に眠っていた記憶や思い出が突然浮かんできたり、彼らの虫生に想いを馳せたりするようになった。
優しい気持ちになれる瞬間。
それらをここに書き残していきたい。
私自身、若しくは同じく生き物が好きな人がいるならば、その人に見てもらいたい。
それだけでいい。
そんな気持ちで始めた私のnote。
少し欲が出てきて、『虫、可愛く撮れたからもっと見てもらえたらいいのにな…』なんて思ったりもするが、それが叶うかどうかは今後の私の記事次第なのだろう。
あなたと共に、四六時虫。
最後まで読んで頂きありがとうございました。