6才&1才6ヶ月の国立科学博物館コンパスー再開ありがとう!しかし4年は長かった
このnoteは、2才児を連れてミュージアムに行ったらどうなったかの記録からスタートしたものである。2才で行ってめっちゃ楽しかった国立科学博物館のコンパスが再開していたので、4年以上ぶりに行ってきたよ!やった!だけど、4年の時は長くもあり…
※記事中の一人称は母、子はそれぞれ6才・1才と表記します
コンパスは事前予約制
上野にある国立科学博物館、地球館3階の剥製が並ぶエリアの手前に「親と子のたんけんひろばコンパス」がある。2024年6月現在、コンパスを利用するには、公式サイトからの事前予約が必要。予約は毎月1日の正午から翌月分が買えるようになっている。春休み中のどこかで行こうかな、と呑気にサイトを開いたら、休みの期間は全部Soldout!Oh!もう6才の間に行けないじゃないか!そんなのイヤヨ!
予約の空き状況とスケジュールをにらめっこした結果、新小学1年生の6才が半日で下校する期間の午後にならねじ込めることが判明。なんとか6才のうちに行くことができた。
いや、コンパス側はちゃんと”主に4歳から6歳のお子様と保護者の方が対象ですが、0歳から小学生のお子様と保護者の方もご利用いただけます”と言っている。6才終盤と7才初期で違いは全くないかもしれない。でも、主なターゲットであるうちに見ておきたかったの。母のわがままに付き合わせてごめんよ。
現在、コンパスの予約ページを見てみると、やはり既に土日は全て満席だ。
今回出かけた春休み明けすぐの期間は、平日でも時間帯によっては満席、他も残席わずかでギリギリのところだった。なのに、予約日の都合が悪くなってしまい、日程を変更する必要が出た。
コンパスは当日朝9時までの間なら予約日の変更が5回までできる。行ける日が限られる中、変更先がなく焦ったが、きっと誰かも直前で都合が悪くなるはずだ…と諦めずにチェックし続けていたら空きが出て、なんとか行くことができた。誰かのキャンセルも無駄にならない即時性に感謝であった。
母1人vs動ける子が2人
楽しそうな雰囲気にワクワクが止まらない子が2人。入口で靴を脱がせ、その靴をちょっと離れた靴箱に置く段階で気が付いた。
ここで、2人を同時に見ることは不可能だ。
コンパスは大きく分けると、剥製と色んな角度から出逢えるアスレチックのような空間(すべり台付き!)と、座って本やツールを使って楽しむ空間がある。アスレチック的な部分は基本的に面で構成されていて、見通しが利かない。
しかし、1才を6才と同じようにアスレチックへ連れて行くことはできない。1才は6才のスピードに追い付けないし、大人には狭いアスレチック空間で、まだ足取りのおぼつかない1才の安全を確保するのは困難だ。入場前に読んだルールにも、2才以下はすべり台等高さのある遊具の使用は推奨していないと書いてあった。そうでなくても、ここのすべり台はよく滑るからやめた方がいいことは前回身をもって体験している。かといって、やる気満々の6才に、1才の動きに付き合わせるのは切なすぎる。
そんなわけで、6才が6才のうちにと思って来たコンパスだが、母は6才の居場所と安全を目で随時確認しながら、身体は1才の安全管理に注力することとなった。
この場所で見ると、6才は年長者
母が靴を置く間にも1才と6才は中に吸い込まれていく。待って!と言っても効かないので、6才に「迷子になっちゃうから1才と手をつないで止まってて!」と伝えると、6才は必死に1才を説得しながら止まろうとしてくれた。両手をつながれそれでも進もうとする1才と攻防している隙に靴を置いて2人と合流。
6才は「いってくる!」とすべり台を目指してアスレチックへ消えて行った。2才の時は怖くて登れなかったはしごも、踏み出すのに時間がかかった吊り橋もするすると進んでいく。ああ、成長だなあ。
ちょっと遠くのおでかけ先だと、前に行ったんだから別の場所に行こう、となりがちだが、同じ場所に定期的に通うと子の成長が感じられてとても楽しい。ついでに自分の変化も。ああ、もう4年前のようにアスレチックに登る勇気がないよ(若さが不足しています)。
6才は途中、本のコーナーを見つけ「絵本読んでるね!」と宣言。学校の昼休みは毎日図書室通いな本の虫ゆえ、ここで終わったかと思ったが、本にたどり着く前に他のところに気を取られて、最後まで本は読まずに過ごした。
ああ。本人がやりたいことをするのが一番だとわかってはいても、せっかく来たんだから図書館ではできないことをして欲しいと思ってしまう大人心よ。
時々母と1才のもとに戻ってきて、何があった、これが面白い、と報告したり、1才が持っていた虫眼鏡を取り上げて使って怒られたりして過ごす6才。
「コンパスはあと5分、次のおともだちのためにお片付けをしてね」との放送を聞くと、片づけをはじめ、指差し確認までしている。最後に恐竜の足元のトンネルを抜けてみると本コーナーの目の前で、やばい!と思ったが、おわりの時間には1才を引き連れてすんなりと出口へ向かう。なんというか、すっかり年長者だなあ。
そして、母は感じたのだった。
この6才には、もうこの場は小さすぎる。
アスレチックのサイズの問題ではなくて、むしろもっと複雑な遊具だったらこの子はビビって手が出なかっただろう。アスレチックは走りすぎたりはしゃぎすぎたりして危険になることもなく、小さすぎる子は簡単に入れない程よいレベル感だったし、常備されているワークシートも、壁に貼られた種と花をマッチングさせるあみだくじも、あれこれ言いながら楽しんでいた。でも、それでも、きっと、この場はそろそろ卒業なのだ。アスレチック内で動物に出逢った時の小さな子ども達が見せる感動のようなものが、もう母の目には見受けられなかったからだ。
そして、それはおそらく、常設展を楽しめるようになりましたよ、ということだと思った。実際、この子はすっかり常設展を楽しんでいた(後述)。
年少者を常設展につなぐ役割をこのエリアが担っているのだとしたら、この場のつくりは、かなり的確だ。
1才6ヶ月のコンパス、この年なりに楽しいよ
一方の1才は、最初こそすたすたと入っていったものの、周りにいるたくさん(と言っても定員制のため安心して遊べる人数)の子どもと大人の動きに気を取られてぼんやりしている。すぐそこに剥製もあるのに!図鑑ではいつも喜々として指差ししていた動物たちの本物(剥製)だよ!と母は思うのだが、食いつきが悪い。結果、最後まであまり動物たちには反応を示さなかった。以前でかけた動物園でもそうだった。大きな動物はちょっと怖いのかもしれない。やさしくさわってね、と書かれたタヌキの毛並みにも触れることはなかった。
じゃあ楽しくなかったのかというとそうではない。
1才6ヶ月のお気に入り3つを発表しよう。
その1 スリットから見るとアニメーションになってるアレ
アレとは、これだ。
下のノブをくるくるまわすと、円盤がくるくるまわって、スリットからみえる絵がアニメーションになる装置。この、くるくる回すところにドはまり。きっとスリットから見てはいないけれど、自分がノブを回すと絵が回るのは見えているはず。回しごたえもあってなかなか良い。
ちなみに6才は1才がやっているのを見て考え、アレだ、とわかっていた。
その2 引き出し
つまんでください、と言わんばかりの球体がついたこの引き出し。つまむと開けられることに気づいて、開けたり閉めたりを楽しんでいた。引き出しはレール式だったので、ひっぱりすぎても落ちてこない(はず)。中のワークシートには手が届かなかったのか、取り出してポイポイすることはなかったので安堵。
その3 段差
主となるアスレチックの奥にあったこの段差、1才6ヶ月にはちょうどよかったようで、何度も「登りたいから手をつなげ」と要求してきた。登ったら今度は降りる。登った先には剥製があったのだけれど、それよりなにより登って降りてに夢中になっていた。
おまけ へこんだ半球
上記3つほど本人はハマっていなかったけれど、母的にかわいかったので、おまけで紹介。
料理用のステンレスのボールが壁にはめ込んである感じで、大きなピカピカの金属製の半球があった。なんだろう、と近づくと、自分の姿が写る。手を伸ばす。その距離で触れそうなのに、届かず空を掴む。あれ?っとなって繰り返す。説明するとこんな感じ。写真がなくてごめんなさい。半球に映って見える子どもの真剣な表情が、とてもかわいい。
低い遊具もありますよ
お気に入りになったのは、まあわざわざコンパスに来なくても…、な場所が多かったが、1才の子やハイハイの子でもこの場所を味わえる部分はちゃんと用意されている。
高い遊具は怖い(母的にも)が、ハイハイで進む低いところにも動物との出逢いが仕掛けられている。吊り橋の下にある入口を入ると、ラクダの足をすぐそこで見られるなど、低い位置だからこそのものを見ることができる。
思えばハイハイの子は常にこの視線で暮らしているのだろう。大人にこそ新鮮な低さである。
低い位置にも視線の合う剥製が用意されている。でも、こんな怖いトラとは出逢いたくないような気もする…。
この、つみきサイズの標本たちも、小さな子は大好きだろう。1才も、棚に並べてあるそれを取ってくれと指差し、1つ1つ点検していた。ただし、手にして即パクっとお口でチェックするお年頃の子には向かない。なんなら母もパクっといきたいくらいの良い質感をしていたから。
…と、諸々用意されてはいるけれど、主ターゲットは4~6才。周りに元気いっぱいなお兄さんお姉さんが動き回っているので、ヨチヨチ、ハイハイの子を連れていって放つのはちょっと怖いと思う。それぐらいの子を連れて行くなら、空いている日の空いている時間帯を狙うとか、放つタイミングを見極めるとかの工夫が必要だろう。
6才はいかに常設展を楽しんだか
最後に、この日の6才と常設展とのふれあいを紹介させてもらいたい。
科博到着後、コンパスの予約時間までまだ間があったので、地球史ナビゲーターへ。6才は入口でちょっとビビっていたが、なんとか中へ。
「太陽だよ、これ」、「どこかでみたよね、これ」など言いながら動画を見る。最後の、どこかでみたよね、は、ミトコンドリアが別の細胞の中に共生を始めるシーンだった。以前祖父の家でなぜか好んで見ていた進化に関するNHKスペシャルのことだろう。よく覚えていたなぁ。
原子ができていく様子を、「地球ができた」と言っていたので、それは地球じゃなくて原子だね、と訂正しておいた。すると部屋を出た後に「原子って何?原子力の原子」と言ってきた。悩みつつかいつまんで説明し「6才も原子でできているんだよ」と言うと、「ええー!?どこに原子なのよー!」と言いながら自分の腕を見ていた。この瞬間に母は、あ、ついに話が通じるようになったな、と思ったのだった。
コンパスに入場する前には、チラッと見えた剥製の姿に「しんだのを使ってるんだよね?なんて言うの?」と問うてきた。剥製だよ、と答えながら、コンパスの奥の剥製が並ぶコーナーへ進むと、ちょうどそこでやっていたボランティアによる解説が、剥製を紹介するもので、まるで図ったかのような展開に驚いた(しかもそこにいたのは、2才の頃にもここで説明してくれた母の友人だった)。
これはもうコンパス行かずに剥製コーナーを見た方がいい流れでは?という気もしたが、まあ、メインイベントであったコンパスに行き、再び友人に挨拶をした後、ラウンジでおやつを食べて、企画展「知られざる海生無脊椎動物の世界」(2024年6月16日まで開催中!)へ。6才児並みにはしゃぐ母に負けじと展示を見て、なんやかんやと言っていた。
広い科博で滞在したエリアはごくわずかだったが、大満足。
コンパスは、6才は卒業生になりそうだけど、1才の今後が見たいので、また折を見てここに戻ってきたいと思う。きっと4年前に記録した2才とは違った2才の行動が見られるのだろうから。