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2才6か月の国立科学博物館―コンパス楽しかったなぁ
※この記事は”コロナ前”、2019年の記録です。2023年8月の現在は「歩いてみよう!コンパス」となり、幼児のための場ではなくなってしまった「コンパス」が、過去いかに楽しかったかを書いています。→2024年、コンパス再開後に再訪した記事はこちら。
前回2才1か月で科博デビューをし、とても狭い範囲で国立科学博物館を楽しんだ子。約半年が経って再訪すると…。子の成長ってほんと速い。
整理券をゲットし、開始を待つ
「コンパス」は、地球館3階、剥製が大量に並ぶエリアの隣にある、当時「親と子のたんけんひろば」と題された4~6才を主な対象とした施設だ。
2019年当時は、地球館1階の入口横の端末で、時間帯を選んで整理券をゲットできるようになっていた。コンパス狙いで来た身としては、3階まで行かずに整理券が得られてありがたい。まずこれを押さえてから、時間まで好きなところを見に行ける。逆に、3階に行ってからコンパスの存在を知った場合、1階まで降りなくてはならないから大変だ。
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今(2023年)は整理券はない。だって歩いて通るだけになってしまったのだもの。
ということで整理券をゲット。
もうすぐ始まる回が空いていたので、そのままエスカレーターで3階へ進む。
開始までの少しの時間、隣のエリアで剥製を眺める。
5ヶ月前は特に反応がなかったが、今回は剥製を指さしながら「とーちゃん」「かーちゃん」などと言う。一瞬、自分が剥製にされて展示される姿を想像してしまったが、動物の大きさからそう言っているようだった。そして、解説ボランティアさん(実は母の友人)に、頭の骨やツノの標本を見せてもらうなどして過ごした。
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失くすと入れなくなってしまうので、エスカレーターを降りたら即母が回収した。
コンパスめちゃ楽しい!毎日行きたい!(特に母
さあ、入場の時が来た。どこから遊ぼうか!
…と母のはやる気持ちと裏腹に、入口から中を見ている。各所に飾られた動物の剥製を指さしては、「いっぱいいるね!」と喜んでいる。「ツノがあるね!」おっ、さっき見せてもらったツノのことがちゃんと頭に入ったんだね。靴も脱がないまま、中を見渡している。
そしてようやく中に入ったか、と思うと、真っ先に本のコーナーへ向かい、空いている席を探して読み始めた。
あちゃー、そうだよね、あなた本好きだもんね、でも今日はそこじゃないんだよなー……と思いつつ、仕方がないのでしばし付き合う。
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図鑑だけでなく、「14ひきシリーズ」のような動物が登場する絵本もたくさん並んでいる。実はこの時読んだ「おさるシリーズ」の本に、数年後に再び図書館で出会ってはまる、という後日談がある。子はここで読んだことを覚えていなかったが、母はなぜか記憶に強く残っていたおさる。
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さて、何冊か読み終えると、ようやく正面に大きなすべり台があることに気が付いた。よし、そうだ、その調子!
しかし、慎重派な2才児、はしごが怖くて登れない!
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ここで諦めそうになる子に、急いで他の簡単そうなルートを指し示し、ようやくアスレチック的なゾーンに突入。ここに来るまでスタートから5ヶ月と10分程が経過している。
このゾーンは、子ども達が身体を動かして楽しく遊ぶ中で、色んな角度から動物たちの剥製と間近で出逢える画期的な場所。
私も子どもの頃、こんな風に動物たちと出逢いたかった!!
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慎重派ゆえ、立って歩ける場所まで全部ハイハイの姿勢で進む子だったが、色んな動物たちと出逢うことができた。ラッコの親子を上から眺めるなんて(そして下にはジャイアントケルプ)!ラクダの足の間を通るなんて(ラクダって大きいのね)!トンネルを抜けるとそこは小動物の宝庫だなんて(小ささに親近感が沸いた)!
動物がきっかけとなって、ちょっと勇気がいる吊り橋も渡ってみちゃったり、アスレチックをぐるぐるしていると同じ動物が何度も出てくるから「やあ、また会ったね!」と仲良くなっちゃったり。両者がプラスに働きあう素晴らしい場所だった。
ありがとう、アナウンス
このアスレチックは保護者も入れる。中には、所々ピクトグラムが掲出されていた。
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子ども自身は注意など見ないかもしれないが、保護者がいるので注意を促すことができる。ピクトグラムは文字が読めなくても理解できる利点があるが、それだけではないことを知った。親は子に注意を促すとき、つい厳しい口調で言ってしまうが、文字で書いてあるよりピクトグラムで書いてある方が幾分か口調が優しくなる効能がある、ような気がする。
安全管理のための保護者同伴だろうが、慎重派な子にとっても大変ありがたかった。1人で怖がって入っていけないから。そしてこれこそ待ち望んでいた親の特権!親になれば子どもしか入れない場所にも入ることができる!子よ、ありがとう!
…と母が楽しく遊んでいたら、大型すべり台に「大人の方はよく滑る」との注意書き。
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「大人の方はよく滑ります。ご注意ください。」
よし、わかった!と注意して挑んだけれど、いやこれほんとによく滑る!!想像以上の滑りっぷりにちょっと身の危険を感じる程だった。注意があって助かった。
結局この時は、45分の大半をこのアスレチック的なエリアで過ごした。前回、手のひらサイズの標本つみきで遊んだときは、標本のことはほとんど気にしていなかったが、今回は身体を動かすことを楽しみつつ、しっかり剥製のことも気にかけていたのがわかった。今ならつみきも、標本を意識するかもしれないが、時間切れ。
終わる10分前、5分前には、終了時間を告げるアナウンスが場内放送されていた。
子は放送の音楽が鳴るたびに、「なに?」とびっくりして止まっていたので、終了時間の存在を告げることができてよかった。このアナウンスのしゃべり口が明るいトーンだったのもありがたかった。
終了時間にぐずらずに終えられるか!?は幼い子を遊び場に連れて行く親の最大の懸念と言ってもよいだろう。そんな中、ちょっとでも厳しさを向けられると、親としては余計にピリピリしてしまう。その心をほぐすぐらいの明るさとやさしさのある声に助けられた。
最後にもう一度本が見たいというのでちょっとだけ寄って、みんな帰ったからさあ行こう、靴はどこ?と声をかけて穏やかに退室することができた。
はやく、またここに来られますように
ああ楽しかった。徒歩圏内にあったなら、毎日通うのに。
また来よう。
そう。また来よう、と思っていたのにその日は来ないまま、子は6才になってしまった。
当初の対象年齢は6才まで。今、子は6才。子が7才になるまでの間に、再びコンパスが「親と子のたんけんひろば」として再開する日は来るのだろうか。来てもいいと思うよ、もう児童館とかもこれまで通りだよ。
子ども達にとっての3年は長い。
コロナ禍によって奪われた体験の機会がたくさんある。
これを機に、本当は要らなかった体験がきちんとなくなり、本当に良かった体験が正しく子ども達の手に届くような世の中になりますように。
そんな気持ちも込めながら、「2才児連れてミュージアム」活動の記録をここに残す。