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2才1か月の国立科学博物館ーかなりイケる。ただし大人の欲を出してはいけない

※この記事は”コロナ前”、2019年の記録です。現在の状況とは異なるのでご注意を。

1か月前、2才0か月で現代産業科学館を楽しめたので、イケる!と判断。満を持して、国立科学博物館へ。結果、2才児はかなり科博を楽しみました。


整理券ゲット、そして動画にくぎ付け

国立科学博物館(科博)には、「コンパス」という親子向けエリアがある。…いや、あった(※)。

主とする子どもの対象年齢は4~6才だが0才から利用可能。入るためには整理券をゲットせねばならない。特別展がはじまる前の平日に駆け込むと、10時半到着で11時開始の券を手に入れることができた。特別展のない平日万歳である。
※重要!2023年7月現在、コンパスは「歩いてみよう!コンパス」となって、年齢制限なく入れる代わりに、ただ歩いて通るだけの場になってしまっている。悔しい気持ちを込めつつ、この記事を書く。

早く2才児の反応が見てみたい。はやる気持ちを抑え、開始まで30分。3階の剥製の部屋で過ごそうか、否、時間が持たない。せっかくなので導線に従って、地球館1階、地球史ナビゲーターという名の、導入アニメーションを見に行くことにした。

自分よりはるかに大きな画面で動画が流れている。早速入口の画面で足止め。泡がぽこぽこしてるようなものをずっと見ている。動画の子どもを引きつける力は強力だ。大人的には早く中に行こうよ、と思うが、時間もあるし、しばらく付き合うことにした。

地球館1階 地球史ナビゲーター
科博全体の導入のような場。右の泡動画に足止めされた。

中に入ると、標本も置いてある。大きな恐竜の骨格標本もあるのだが、動画に釘付けで目に入らない。まあいいや。動画を見ながら、これは?と聞いてくるが、まあいいや。2才にわかるようには説明できない。それに動画はどんどん進むから次のこれは?が出てきて時間的にも説明できない。知らないものが色々あるぞ、と興味を持ったならばそれでいい。

全部見せたいやらせたい、大人心との戦い

さあ、満を持してコンパスだ。2才児が最初にはまったのは、子どもの手のひらサイズのたくさんの標本!

透明な樹脂?に埋め込まれたたくさんの標本。美しい。さすが科博。
この数を毎日子どもに触らせながら管理する苦労はいかほどか!ありがとう科博!

とにかくたくさんある。それを、ナニコレ?と思う間もなく子はどんどん出していく。気づいてる?つみきじゃないよ?中に標本が入ってるよ?

どんどん出したい欲が少しおさまった頃を見計らって、母は差し向けてみる。
「ここに写真があるよ。同じのあるかな?」

まんまとはまって、同じの探しを始める2才児。

同じのあった!
見つけた生物が何という種であるかを調べる同定作業の真似事、と言えなくもない。

同じものを見つけると、すぐ次に取り掛かりたくなる2才児。一応名前を読んでやるもほとんど聞いていない。せっかくの標本なのにな、と、大人としては思ってしまう。

でもまあいい、そのへんは大人が楽しんでおくことにしよう。とにかくたくさんある標本だが、人気度やバランスを考えて選ばれているようである。同じの探しをいくつか楽しむと、気が付けば標本を整列させる遊びを始めていた。

なんて豪華なつみきだろうか…。毎日こんなつみきで遊んでいたら、いつか中の標本にも関心を持つ日がくるのかもしれない。

整列!よく見ると頭の方向が揃えてあるようだ。
標本には一緒にICタグらしきものも埋め込まれている。持って帰りたくなっちゃうもんね。

と、気が付けばかなりの時間が経過している。コンパスにいられる時間は45分(当時)。まって、まだ一番の目玉のアスレチック的なところ(表紙の画像部分)に一歩も行ってない!

そう思う大人心とは裏腹に、子は天井を眺めている。

子が眺めていた天井。まあたしかに普通の天井より見どころは多いけど…。

結果、この日はほとんどアスレチック的なところには行かずに終わった。公園でも大型遊具は苦手だから仕方ない。2才児にとってコンパスは広かった。45分で全部は遊べない。一方で、集中力的には45分はちょうどよいようだった。まだ遊びたい気持ちはありながらも、ぐずることなく部屋を出ることができた。

屋上のスカイデッキでお弁当を食べて、午後は常設展へ向かうことにする。

2才児に導かれる常設展観覧もまた楽し

科博は広い。2才児じゃなくても1日で見られる広さではないから、2才児と運まかせで常設展を歩く。

2才児と歩いて面白かったのは次の2か所。

地球館1階、系統広場

最初に見た地球史ナビゲーターの奥にある、様々な生き物の標本にぐるりと囲まれたエリア。

真っ先に目に入るのは、大きな動物たちの標本なのだが、2才児には違うらしい。

床にしゃがんで光に手を伸ばす2才児。

なによりも床に光るラインが気になる。

視線が低いからこそなのだろうか。そしてしゃがみこんで見ていると他にも気がつくことが。

光のラインの中に文字が書いてある

これは?と聞かれて見ると、ギャップ結合…。えーと、なんだそれ、と思いながら一応音読してやる。意味など気にしていない子。問うておきながらむしろ母の音読すら聞かず、光を辿って進んでは、これは?と言っている。

こんな詳細すぎる説明がついていたなんて、2才児に導かれない限り気がつかなかったかもしれない。

光はたまに動いている。なぜだろう?とあたりを見回すと、どうやら奥にある解説の何かと連動して動いているらしい。そんな仕掛けに気づけたのも2才児のおかげである。

赤い色があることにも気がついた。きっとなにか意味があるのだろう。


地球館2階、科学技術で地球を探る

一言で言えば、科学館”らしい”、触って科学法則を体験できる系のエリア。

2才児はとにかくやりたい。押せとあれば押す。回せとあれば回す。
そして、子が何かをしている間に、母は解説を読む。

あわよくば子に説明してやろうと思って。しかし、難しすぎて説明できない。ものによっては、2才児には高すぎて、何かをした結果どうなったかすら子には見えていない。

ぐるぐるぐる。しかし回っている部分が高すぎて、2才児にはよく見えていない。
この状況で何を説明できようか。

ここはもう腹を括って、子が操作したものを母が楽しむ場所だと思うことにした。

子に説明しようという気持ちで読むと、解説のわかる部分わからない部分が鮮明になることがわかった。あと、子が次に移るまでの瞬く間に解説を読んで理解しよう、2才児にわかるように翻訳してみようと試みるのは、ちょっとした脳トレのようでもある。

サーモグラフィ。こんな単純なものでも2才児に意味のある説明をすることは難しい。

また来ようね、それでいい

お昼も挟んでかなりの時間を科博で過ごした。広い科博で見た展示はほんの一部、日本館にすら行かずに終わった。

でも、それでいい。楽しかったね、まだ見てないところもあるし、また来ようね、と言って帰れればいい。

そんなことをしていたせいか、今や6才になった子(どんだけ筆が遅いんだ、と自ら驚く)は、楽しい場所に行くと帰りに必ず「また来ようね」と言うようになった。

そして、実際また行くことにした。その時の様子は、また次の記事で。


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