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雪待笹
今も初日の余韻に浸っています。
十二月大歌舞伎「新版伊達の十役」は楽しすぎました。
歌舞伎座恒例になった特別ポスターが初日に合わせて発表されました。全ての演目で作成されるわけではないので、猿之助さんは6月の’日蓮’以来となります。
見た瞬間に、ひゃーっとなりました!10役の中でもやはりこの二役は注目なのです。仁木弾正&政岡。貫禄あるビジュアルに胸がいっぱいです。もう若手とは言えない(笑)同じ人!?みたいな驚きもある。ポスターから、役のイメージが伝わるのもすごい。それは猿之助さん自身の中でイメージが完全に確立されているからだと思います。
初日にまず感動したのが猿之助さんの政岡の姿です。「雪持笹(ゆきもちざさ)」という文様の打掛に、中は真っ赤な着物。政岡を演じる役者さんは皆このスタイルです。この姿を初めて生で拝むことができただけで胸がいっぱいになりました。
雪待は、打掛の柄を見ていただくとわかりますが、雪が積もり、その重みに耐えている様子です。政岡は若君暗殺計画を知り、若君をかくまい、毒殺も恐れて食事も自分の用意した粗末なものを食べさせています。そして我が子を犠牲にしてまで若君を守り抜きます。雪の重みに耐えて撥ね返す機会をじっと待つ笹が、政岡の性根を表しているのです。竹には意味がありますが、私は女性らしい、しなやかさを感じます。
雪待のお衣装と言えば、もう一人、寺子屋の松王丸です。この方は’松’。このお役を当たり役としていた吉右衛門さんを思い出します。大きな大きな松王でした。
この特別ポスターは販売されるそうです。木挽町広場や一階売店。初日は見かけませんでしたが、これからかな。劇場内にも掲示あるようです。出合ってないので次回探してみます。
皆さまも是非、注目してみてください。
aya