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2024年 私が好きな舞台

インフルエンザに身体が慣れてきました。お陰様で熱は1日で下がり腰痛だけになっています。薬のだるさはあるけど、ゆっくり過ごせています。

時間があるので今年に観たお芝居のことを振り返っていました。大衆演劇のお芝居に惹かれた年になりました。

猿之助さんのことから歌舞伎熱が下がってしまい、このまま劇場に行かなくなる自分が嫌でした。今の私ならそれも自然のことと受け入れられたかもしれませんが。

でも、恋川純弥さんのお芝居が観たいと思うようになれました。純弥さんは私の芝居熱を再燃させてくれたのです。

大衆演劇の芝居は新鮮でした。小さい小屋で工夫をこらし、これでもかとお客を楽しませようとする役者さんに出会うと心躍りました。

私にとって純弥さんはまさにそんな一人でした。歌舞伎味が「私の普通」になってしまっている脳を刺激してくれました。

私の記憶に当てはまらない彼の芝居に、また新しいものに出会ってしまったとワクワクしました。それでいて懐かしく、耳にも目にも心地いい芝居、生意気な言い方ですが、確かな芸を感じました。

今年観た約120本の舞台中、大衆演劇が約90、歌舞伎が約25、その他、という割合です。大衆演劇は演目が日替り。。今では昼夜替えも当たり前です。回数が増えていくのは当然かもしれません。

歌舞伎はほぼ歌舞伎座で観劇しました。

大衆演劇は60本以上、純弥さんの芝居を観ていました。東京でTEAM純弥の一か月の座長公演があったことが大きいです。普段は関西で活動なさっているので全ては追いかけていません。

劇団としては、劇団暁、桐龍座恋川劇団、劇団章劇、劇団美松、一見劇団、スーパー兄弟、たつみ演劇BOX、橘劇団、そして新風プロジェクト公演を観ました。

私の世界がこんなに広がるとは思いませんでした。

夢中になれたことでどれだけ救われてきたか。
有難うございました。


そして、歌舞伎を含め、全ての舞台の中で私の選んだ今年のベスト1がこちらです。

「おわら恋唄」です。

私は幸せな余韻の芝居が好きです。坪田塁さんのあたたかな気持ちになる脚本が好きでした。

この日のためにお稽古してきたという純弥さんの胡弓も素晴らしかった。幕が開く前、音色が聴こえてきた時は鳥肌が立ちました。そして、おわら風の盆の祭りの風景が広がるオープニングに一気に世界に引き込まれました。

舞台を上下二層に使い、上段に生演奏のWASABIさんたちが見えていた演出もよかった。大衆演劇の皆さんも音楽で動いたりしゃべったりできるので一体感が気持ちよかったです。

純弥さん映人さんの息の合ったお芝居も感動しました。

特にラストシーンは何度でも観たいと思うほど幸せでした。純弥さんの独白。。告白は心に響きました。

是非、再演してほしいお芝居です。


面白かった大衆のお芝居はたくさんあります。

「泣き虫兄弟鴉」という芝居で純弥さんが殺陣付けをした時の花道の大立廻りがワクワクしました。劇団暁は人数が多いからすごかったです。

「俵星玄蕃」の玄蕃の純弥さんが荒くれ者みたいなビジュアルでびっくりしたことや、「生きていた石松」で初めてダークな次郎長を観て驚いたこと。この二つは龍美麗さんの脚本もよかったです。

「夏祭浪花鑑」は3劇団で観ることができました。しかも歌舞伎座で愛之助さんも上演しました。それぞれのアレンジで面白かったです。

中でも、劇団暁で純弥さんが徳兵衛を演じた時、ラストの大立廻りに太鼓の演奏が入ったのは最高に楽しかったです。暁人さんと純弥さんで、どちらかが戦ってどちらかが太鼓を叩く。何度も交換してすごい迫力でした。

何回か観た芝居と言えば「女小僧と橘屋」純弥さんの橘屋が好きですが、女房役が、劇団暁の龍人さんだった時が新鮮で一番の思い出です。純弥さんがより優しそうだった気がします(笑)龍人さんが可愛かったです。

悪が主役の「種子島大作」も思い出。二回ともTeam純弥公演で見たけど、9月の予告編もすごくかっこよくてしびれました。純弥さん暁人さんの立廻りは最高にエキサイティングでした。

純弥さんの誕生日公演の「飢餓海峡」は話がショッキングで(笑)サスペンス好きとしては、もっと大衆でこういうのをしてほしいけど、なにせ話が暗いから。

1回目はホール、2回目は篠原の小屋で観ました。会場の大きさが変われば自然と芝居も変化するから両方観ることができたのは面白かったです。ホールではできないことが小屋ではできたり、ラストの演出を変えたのもよかった。

こうして芝居が進化するのはとても観たくなります。次はどう演出してくるのか、とか、役者さんが変わるとどうなるのかとか。純弥さん暁人さんコンビの芝居がより好きになった作品です。

二人の芝居では「釣り忍」もまた観たい作品です。

ラブラブな恋愛物が苦手な二人があえて挑んだと言っていました。私は二人にとても合っていると思ったのですけど。ラストシーン、嬉しさのあまり後ろを向いてガッツポーズする純弥さんがお茶目でした。


暁人さんの籠釣瓶や、恋川劇団の夏祭、劇団美松の曽根崎心中も印象的でした。

歌舞伎より大衆演劇に夢中になった一年でした。


2025年はもっと幅広く観ていこうと思っています。

歌舞伎も大衆演劇も。。
もしかしたらさらに広がっていくかもしれません。

観たい景色は自分で見せてあげようと思います。

有難うございました。


aya


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