<2012年 アメブロ編 亀治郎の会ファイナル>1
私が書いてきたブログをピックアップして再編集しています。不定期発信です。
猿之助さんが四代目を襲名したのが2012年6月です。実はその8月に自主公演「亀治郎の会」の10回目が開催されています。猿之助さんは亀治郎時代、自主公演は10回まで続けると公言していました。
まさか途中で「猿之助」になるとは思っていなかったと思います。襲名が発表になった時、私は10回目があるのかないのか気になりました。猿之助さんは「やる」と発表してくれた時は感動でした。約束を守ってくれたからです。
私が歌舞伎に出合ったのは「第六回亀治郎の会」でした。思い出の亀会がファイナルまで行われたことが今でも嬉しいし、思い出は宝物になりました。
その時のブログをご紹介します。
8月19日 万感の思いを込めて。前編
いまだ余韻に浸っております。
「大感謝祭!亀治郎の会さよなら公演」
思ったよりお客の年齢層が高かったのが印象的。そして大向こうがたくさんかかっていて感動。
舞踊劇が三つ。拝見するまでは亀治郎さんの踊りばかり気になっていました。
竹本、清元、長唄。生意気ですが、それぞれがとても素晴らしく、その魅力にどっぷりつかることができました。
「栴檀女道行」で葵太夫の登場にびっくり。重厚な響きに、ベースである国姓爺合戦の世界観にすっと入っていけました。
和籐内の妻、小睦を亀治郎さんです。皇女を守る使命感に溢れ、武術に長けた女性。そんな雰囲気が踊りから感じられました。
「加賀見山旧錦絵」のお初を演じた亀治郎さんを思い出しました。人を慕う気持ちからくる健気さ。小睦はめっぽう強いのですが(笑)
ラストの花道の引っ込みにやられました!思わず勇ましく振る舞うも、ハッとして照れ笑い。この独特な笑顔がツボ。たっぷり魅せてくださいました。
米吉さんの皇女が可愛らしく、本当に守ってあげたい感じ。
福島さんの附けも攻めていてよかったです!亀治郎さんのタイミングにぴったりでした。
約35分と短い舞踊ですが、ストーリー性があり時代物を見ているような感覚でした!
「檜垣」は、おもだか十種。清元の延寿太夫がご出演!清元の世界に一変しました。これほど切なく、甘く、情緒的に聞こえたことはなくウットリ。
老女が若い男女に横恋慕するお話。檜垣の老女を亀治郎さん。切なくなるほど’女子’なのです。少将を慕う様はまるで乙女。
老女といえば先月の「黒塚」がそうでしたが、今回のほうが断然艶っぽく思えました。小野小町に嫉妬する姿が滑稽で、少将の胸に顔をピトッとくっつける様子は愛らしい(笑)
それを露骨に嫌がる少将役の門之助さんが、ヒドイと思うのですが笑えてしまう。
延寿太夫と亀治郎さんの艶やかな世界が鳥肌が立つほど魅力的。老女に色香が漂っていてもいやらしくないのは凄いことでした。
井戸の水に映った自分の年老いた顔に驚き嘆く姿に、女性って恐くて悲しいなと思ってしまう。
藤原道山さんの尺八も素敵でした。後半、尺八と琴が加わったことで気持ちがより盛り上がります。とてもドラマティック。
小野小町役の笑野さんがとっても綺麗でびっくり!老女にちょっと張り合う様子もチャーミングです。スモークなどを使用して演出も面白く、月が柔らかく切なく。。
最初の演目とは全く違う世界観でした。
この興奮は連獅子へ続きます。
8月19日 万感の思いを込めて。後編
さて、とうとう「亀治郎の会さよなら公演」も残すところあと一日!時が経つのが早すぎますっ。
亀治郎さん(あえて呼ばせていただきます)との’気’のやりとり。ご本人も一瞬一瞬気持ちを込めて、そのやりとりを感じながら踊ってらっしゃるのではないかと想うほど。
楽しませたいという想いが本当に嬉しい。気持ちが伝わります。やはり近くで拝見すると’目’から発するものが凄い。
三つ目の演目「連獅子」は初見の’おもだか屋型’
今まで何度か拝見してきた連獅子と振りが全く違うように見えました。とても躍動感がありステップを踏んでいるようなイメージ。
親獅子を亀治郎さん、仔獅子を尾上右近さん。間近で観る亀治郎獅子の格好良いこと!
亀治郎さんは右近さんより背は低いのですが威厳とブレない佇まいは圧倒的。優しくて大きく見えました。
ジャンプ力にびっくり!滞空時間が長いのに気がつきました!
右近さんがとても健気で可愛らしかったです。側転したりして振りがハード。これだけ魅了してくれる右近さんも凄い。
僧を演じる門之助さんと亀鶴さんがとっても面白かったです!お二人の間狂言は贅沢です。笑えてハッピーな気分にさせてくださいます。
長唄囃子連中の迫力も感動です。小鼓の傳左衛門さん、大鼓の傳次郎さんの音はもちろん、お声が素敵でしびれました。
獅子の登場前の音とお声には大興奮。いよいよという感じがたまりません。毛振りもすごくエキサイティングでした♪
亀治郎さんが速い!性格が貴重面なのでしょうか。。ダイナミックというより綺麗な振りという感じでした。けっこう長い間歩きながらまわすのですね。後半のスピードが増していくところは会場からもどよめきが。
おもだか型はまわす回数が多いと聞きました。でも時間がすごく短く思えました。亀治郎さんの息は乱れていなくて余裕な様子。まだまだいけそう。
右近さんと毛が揃っていて美しかったです。舞台のお二人が会場の空気を支配してしまいました。圧巻。
拍手が鳴りやまずカーテンコール。もっと亀治郎さんを観ていたいと思ったし、感謝も届けたいと思いました。
ご本人は、拍手にこもったお客の全部の’気’を心と体で受け止めているかのようなジェスチャー。襲名公演の猿翁さんの姿と重なりました。
幸せな時間をありがとうございました。
明日はいよいよ千穐楽!
亀治郎さんの姿をしっかり心に焼き付けてきます。
aya
☆大千穐楽のブログに続きます