未来のためにできること　（随筆51）

未来のために私たちができることは多々あります。しかし、現状では解決策は一つ一つの問題に取り組む形を取るため、進展は遅く、さらに多くの問題が生じています。そこで、すべての問題を一挙に解決するためのアイデアとして「致命的なバグを仕掛ける」ことを提案します。これにより、世界そのものを根本からリセットし、新しい秩序を創出するのです。

まず考えるのは経済システムにバグを仕掛けることです。現在の資本主義システムは、富を一部の人に集中させ、不平等を助長していることは明白です。ここで、すべての通貨を一斉に無価値化するというバグを発生させることを想像してみましょう。突然、すべての銀行残高がゼロとなり、株式市場は崩壊します。国際貿易も止まり、資本主義が崩壊する瞬間です。

このリセットによって、新たな経済システムが築かれる可能性が生まれます。利益追求よりも持続可能な成長や全ての人々の生活の質向上を目指すシステムを構築することができるのです。資源が再分配され、全世界で基本所得が導入されるかもしれません。今まで見えなかった経済の可能性を一挙に開くための鍵となるでしょう。

次に環境問題に対するバグの仕掛けです。地球環境は、人間活動によって壊れつつありますが、その回復には時間がかかります。ここで考えられるバグは、人間の活動を一時的に停止させることです。数年間にわたり、製造業や交通を含む主要な産業活動を完全に停止するのです。これにより、自然が自己回復する時間を得ることができます。

空気は浄化され、森林が再生し、海洋汚染も減少するでしょう。人間の手が自然に干渉しなければ、地球はその驚異的な回復力を見せるでしょう。このバグは、未来の環境保護に対する新たな政策形成を促進するかもしれません。

政治システムも同様にバグらせることができます。現在の政治は、既得権益に囚われ、国民の声が反映されにくくなっています。ここで、意思決定を完全にAIやアルゴリズムに委ねるバグを導入します。AIは感情や利害に左右されず、データに基づいて公正な政策を決定できます。
より公正で効率的な政治システムが構築されるでしょう。

これらの致命的なバグは、一時的には混乱を招くかもしれません。
しかし、その後には新たな秩序が生まれるでしょう。私たちが抱える問題は、システム全体を根本からリセットすることでしか解決できないこともあるのです。