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古森 もの
2024年6月16日 23:42
たやすく、たやすくなるために生きてきて、わたしは目ばかりになってしまった。あります、います、ということが恐ろしく、本を読むのは好きだけれど、物語にはなりたくなかった。じゃあどうすればいいの? と考えたとき、もう書く側になるしかないと気が付いた。 そうして、わたしは眼差すことばかりに熱中して、どんどん春みたいに近視が進み、今のこの気持ちだけはせめて、たやすくならないようにしたい、と願っている。