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古森 もの
2023年8月29日 06:39
名前を愛していること。形づくることの麓に、わたしたちは暮らしていて、意識を保つための硬度、それは口に含むと冷たいね。冴えざえとした、はっきりとしたものを自らの光として、血流を回している。わたしは風になる。背景としたものが、その他すべてにとっての拠り所だとしても構わない。構わないからなり得た、この体を、今静かに折り畳む。
2021年5月10日 21:56
ぶどうのアイスキャンディくちびるにぬっておめかしごっこした なつやすみ きみのくちびるゆうひをこえてあかくて あまくてぼくはなきたくなった またね といっしょにくちびるとけてとけたアイスをポチがなめて ゆうひのあじもゆうひのいろもなみだのうみに しずんでいく しずんでいく
2021年5月9日 17:44
ぼろアパートの深い夜はあま黒い紺の霧に包まれ、鏡に映る子うさぎも月に恋することなく夢の中。 独り毛布に抱かれるわたしはぎゅっとくまに抱きつく、寂しさはそうやって連鎖の中で灰になる。 ああ、下階のお兄さんの話し声が暖かい。花瓶のふちが空気と淡くなっている。カーテンからこぼれる月明かりはスカートをめくられた子のはにかみに似ている。 孤独の対