Twitter詩「よる」
ぼろアパートの深い夜は
あま黒い紺の霧に包まれ、
鏡に映る子うさぎも
月に恋することなく夢の中。
独り毛布に抱かれるわたしは
ぎゅっとくまに抱きつく、
寂しさはそうやって連鎖の中で灰になる。
ああ、下階のお兄さんの話し声が暖かい。
花瓶のふちが空気と淡くなっている。
カーテンからこぼれる月明かりは
スカートをめくられた子のはにかみに似ている。
孤独の対義語を
静けさの中に見つけた夜。
寂しさのアイデンティティが
蝶になった夜。
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