読書感想文 黒い海
2008年に沈没した船についての記録と
不十分な状況の解明について
筆者が不可解な部分に追っていくのだが
沈んだ船の生存者の話がとてもつらい。
生存者が行方不明者の家族と話すシーンは
両者の気持ちがわかるだけにつらすぎる。
作中深く描かれる人物である
沈没した漁船を保有する酢屋商店の
社長を取り巻く状況が過酷で
負債を抱えた家業を継ぎ描かれる事故で新造した船と
共に働く船員を失い
その後には福島の震災が襲い
今も福島原発の処理水の問題に
業者としてと共に漁協の代表者として
向き合わなければならない姿に
状況に翻弄されながらも生きていく人の姿に
心を打たれる。
なにも終わってはおらず
今も著者がなぜ船が沈んだのかを追い続けているのは
その様な社長の姿に呼応しているように感じた。
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