物語plot.2020.0108
・プロローグ
炎に包まれた城内、外では荒々しい声と地鳴りが響き渡っていた。多くの血が流れ、また人が無数に倒れている風景。空は灰色に染まりつつ黒煙がそれを手助けするように辺りを暗くしていた。ディドルフ王国の王位継承の間。一人の若者が傷をわずかに負いながら駆け込んできた。
「陛下。お待たせいたました。しかしこの最中、急用とは何事ですか」
王は背を向け剣を天に差し向けていた
「第8代王権者・ヴェルナード・ヴァイラントに告げる。その手でこの剣を持ち我が命を絶て。さすれば、その