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アルベルト・バスケス監督の映画「ユニコーン・ウォーズ」(2022年)第2レビュー「創作の神話」(再投稿レビューです。)

コレから僕は…
映画「ユニコーン・ウォーズ」の…
1番素晴らしく…
したがって1番感動したところについて…
書き綴りたいと思う…

ダレも読んでくれなくていいし…
ダレの同意も要らないし…
ダレの「スキ」も要らない…

このレビューは…
僕の…
魂の結着の為に書いている…
みんなは…
「スキ」してくれなくていいから…
僕の骨を拾って…
墓を立ててくれればいい…

「ユニコーン・ウォーズ」は…
ユニコーンと森の動物たちが闊達に動き回る描写から始まる…
アルベルト・バスケス監督は…
この場面を描くのに…
ディズニーアニメの「バンビ」を大いに参考にしたと言う…

次いでテディベアの新兵たちが鬼軍曹にシゴかれる訓練の模様が描かれる。
テディベアたちの「聖書」ではユニコーンは不俱戴天の仇であり…
武をもってコレを撃滅するコトを「是」とし…
日々厳しい軍事教練を行い…
来るべきユニコーンとの戦争に備えているのだ。

監督は…
教練の模様や森への探索行は
「プラトーン」と「地獄の黙示録」を参考にしたと言う。

監督は言明されておられないが…
森への探索行の中でユニコーンが生命を生み出す聖獣として描かれる描写,
森の深奥に潜む…まんま「タタリ神」の描写は
宮崎駿監督の「もののけ姫」の影響を強く感じ…
鬱屈の化身・アスリンが「森のトンネル」を這い進んで
「記憶の家」に到達する場面は「となりのトトロ」の影響を感じる…。

更に言うなら「タタリ神=人工子宮」がアスリンとゴルディを
ダブルエントリーシステムで取り込んで
「本来の姿」を取り戻そうとする描写には
庵野秀明監督の「エヴァンゲリオン」の影響を感じる…。
元々「エヴァ」は…最初の人間アダムがエヴァを生んだという
「聖書」の影響を強く受けており…
「ユニコーン・ウォーズ」も「聖書」の「カインとアベル」の描写を
「アスリンとゴルディ」の描写に引き写して描いているから
「エヴァ」と「ユニコーン・ウォーズ」が「似てる」のは
大元が「聖書」だからと言えるのだ。

でもな。

僕が「ユニコーン・ウォーズ」が1番素晴らしいと思ったのは…
「バンビ」の影響を受けてるからでも
「地獄の黙示録」の影響を受けてるからでも
「プラトーン」の影響を受けてるからでも
「もののけ姫」の影響を受けてるからでも
「トトロ」の影響を受けてるからでも
「エヴァンゲリオン」の影響を受けてるからでも
「聖書」の影響を受けてるからでもねえんだよ…。

恐らくアルベルト・バスケスは…
「バンビ」に似せてよく頑張ったね♪
「地獄の黙示録」に似せてよく頑張ったね♪
「プラトーン」に似せてよく頑張ったね♪
「もののけ姫」に似せてよく頑張ったね♪
「トトロ」に似せてよく頑張ったね♪
「エヴァンゲリオン」に似せてよく頑張ったね♪
「聖書」に似せてよく頑張ったね♪

…と
ヨシヨシと頭を撫でようとする…
訳知り顔の「有識者」の手を払い除けてッ!

「違ァァァァァァァァう!!!」
「ウルセェェェェェェよ!!!」

と絶叫して卓袱台引っ繰り返す「終盤20分」がッ!
誰にも何にも似てないのが最高なのであるッ!

アルベルト・バスケスはッ!
「作家」って
「創作者」って何だッ!
って根本に立ち返りッ
今の今まで
「バンビ」や「地獄の黙示録」や「プラトーン」や「もののけ姫」や
「トトロ」や「エヴァンゲリオン」や「聖書」から借用していた
世界観を払い除けてッ!

「オレはなにががづぐりだァァァァァい!!!!!!」

って作家としての初期衝動に立ち返りッ!
素っ裸になって借り物で構成された世界をブチ壊してッ!

大地を穿って
海をふたつに裂いて
燃えるマグマを分け入って進みッ!

天地を再創造する場面がッ!
何よりも素晴らしいんだッ!

荒々しい素描のみで構築された…
素っ裸の巨人は…
荒ぶる魂は…
監督は…
ダレの助けも借りずッ
「自分で創りたァァァァァい!!!」
って「本心」を絶叫しッ!
咆哮するッ!

この天地再創造のアニメーションが…
「動画」の持つ力の根源が…
荒々しい『素描』と化して…
ただひたすらに荒れ狂い…
アニメーションで重要なのは「話」ではなく…
「動くこと」なんだと「分からせ」られる…
「終盤20分」だったんだよ…。

ありとあらゆる知識…
ありとあらゆる敬意…
ありとあらゆる経験…
それらを全て投げ捨てて…
素っ裸になって荒れ狂う衝動…

本当に…本当に素晴らしかった…

ユニコーンとテディベアの戦争を
第三者として高みの見物をしてた猿たちは
この…素っ裸になって荒れ狂う…「創りたい」という初期衝動を見て…

「やっと自分達が仕えるに値する王が出現した」

と認め…コレに付き従って行く…。

海外にも「猿真似」って概念があるのかしら…
猿が誰かの「猿真似」を止めて…
「創りたい」って
初期衝動にのみ付き従って行く場面で映画は閉じる。

アルベルト・バスケスは最後の最後に
自分だけの「創作の神話」を完成させたのだ…。

「ユニコーン・ウォーズ」の素晴らしさを…
ダレも分かってくれなくていいけど…
ダレかが分かってくれると…とても…嬉しい…。

「ユニコーン・ウォーズ」の「第1レビュー」がコレ…


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