荒木飛呂彦先生の「荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方」レビュー「『吉良吉影がどういうセックスがスキなのか』ですって…?荒木先生有難うございます!」
2012年7月26日に放送された
NHK高校講座 芸術「漫画はやっぱりおもしろい~人物~」
で「漫画の人物を描くには」の講師を務められた方が何と荒木飛呂彦先生!
冒頭から熱心なファンの皆さんが…
「『覚悟』とはッ」
と叫びながら「ジョジョ立ち」の数々を披露され…。
荒木先生の御講義が拝聴出来るとあって…
なるべく偏見のない言い方をしたいのですが…
少ーし…イタい感じの…困ったちゃんが…
最前列にズラッと鈴なりに並び…
「頼むから…荒木先生に失礼な言動をしてくれるなよォォォ…」
と心の中で叫んでおりました…。
荒木先生の仕事場にもカメラが入り…
そんな…お宝映像…どれ程些細な情報も見逃すまいと
そんなの…ガン見するに決まってるじゃないですか…。
閑話休題
そんな荒木先生が…
キャラ創りの極意として聴講生に提示されたのが
「キャラクター身上調査書」という1枚紙で…
キャラクターの身上調査書を書いて
詳細を詰めて行くというのが荒木先生のやり方で…
本書…「新・漫画術」に於いては…
悪役を作るに当たって…
ディオ・ブランドー,吉良吉影,大統領,泉京香編集等の
身上調査書を公開されて…
「身上調査書の書き方」を指南されると言った風です…。
ディオ・ブランドーの結婚観とか…
吉良吉影がどういうセックスがスキとか…
泉編集は何故死なねばならぬ「漫画家の敵」なのかとか…
スパゲッティ食いながら
露伴先生の原稿を読みミートソースを飛ばし…
「オット(先生の原稿にコーヒー)零しちゃったあァ」
「なーんてねッ!」
「キャッ♡キャッ♡」
とかね…吉良だったらとっくに爆殺してますよね…
先生…泉編集の身上調査書…
「青山学院大学的名門校出身ってだけで」
「ロクに苦労もしないで出版社に入った」
「何も知らん癖に知ったかぶりし」
「ネットの情報を鵜吞みにして講釈を垂れ」
「常に上からモノを言う」
「基本が『失礼』の自惚れ屋のバカ」
って…キャラの解像度が必要以上に高過ぎやしませんか…
先生ェェェ…。
露伴先生が加齢して「分別」が出て来て…
康一くんをイキナリ本にしたり
鈴美ちゃんを本にして
彼女のプライベートな情報を
天下の往来で大声で音読したりしなくなった…
コレは荒木先生にとって由々しき事態で…
露伴の思慮分別を狂わせ引っ搔き回すキャラが必要になった…。
ソレが泉編集で…
泉編集が露伴を翻弄すればするほど
荒木先生の彼女への好感度が上がるのです…。
恐らく…この…
「泉京香編集のキャラクター身上調査書の開示」
こそが…本書の目玉であり…
ディオ,吉良,大統領の身上調査書の開示は…
既に何処かで行われていると思う…。
…と言うのも…
「泉編集のターン」
が他の敵キャラに比べて格別に長いからである…。
前著の「漫画論」が総論的内容だったのに対し
本書は滅茶苦茶キャラのプライバシーに踏み込んだ内容で…
そんなん…
「荒木先生有難うございます!」
と滂沱の涙を流す他ないじゃないですか…
僕はジョジョの第5部がスキなので…
第5部に関する言及も嬉しいですね…
ブチャラティをおかっぱ頭にした理由とか…
第5部のテーマのひとつが「美少年を描くコト」とか…
(リゾットとディアボロと…ペッシが美少年…
護衛チームと暗殺チームのバトルは美少年軍団同士の対決…)
ディアボロが二重の人格を持つ設定の影響を受けた作品とか…
勿論他の部に対する言及もお宝情報の極みなので…
是非読んでいただきたいですね…