【ショートショート】おじいちゃん部【#完成された物語】
最近、公民館の予約表に『おじいちゃん部』がよく登場する。
「何かしら、おじいちゃん部って。老人会の男性版?」
私が首をかしげていると、
「おい!こんなところにいたら巻き込まれるぞ!」
突然声をかけてきた男性。
「え?」
「ダメだ、もう来た!」
見るとそこにはたくさんのおじいちゃん。
「おじいちゃん部だ!おじいちゃん部が来たぞお!」
男は叫ぶと逃げて行った。
何がどうなっているのやら。
すると一人のおじいちゃんが言う。
「性懲りもなくまた来やがったみたいだな」
え、私?
確かに毎週ここの料理教室に通っているけど。
しかし返答は私の背後からした。
「あんたたちこそ今日も暇そうね」
振り返るとそこにはたくさんのおばあちゃん。
「今日はゲートボールで対決だ!」
「のぞむところよ!」
そうして口喧嘩しながら外へと出ていくおじいちゃんおばあちゃんたち。
ああ、これは老人会じゃないわね。
私は目の前で張り合う二人がまるで小学生の様に若々しく見えたのだった。
(405文字)
✒あとがき
読んで下さってありがとうございました!
☝こちらの企画へ参加させていただきました!
決められた冒頭の文章から合計410文字でショートショートを書くという企画。
企画参加二作目ですがやっぱり楽しいですね!
小学校のクラスはこんな感じでした(遠い目)