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エニアグラムと7光線
以前の記事「自分のタイプ:エニアグラムでウイングまで迫ろうとすると」
では「七光線」というエニアグラムにそっくりな性格タイプ論がある事を僅かに述べた。Googleで「エニアグラム 七光線」として検索してもタイプ7の話ばかりが引っ掛かるが、今日は七光線性格論"セブン・レイズ・サイコロジー"[1]に触れよう。
エニアグラム(enneagram)の起源には諸説があるだろうし、はっきりとした形で紹介した人物としてはG.I.Gurdjieff、P.D.OuspenskyやOscar Ichazoの名前が出ることが多い。しかし、起源とまではいかずともエニアグラムと関連のある別個の体系は存在しないのだろうか。ここでは、H.P.Blavatskyがまとめた体系である神智学(Theosophy)或いはAlice Baileyがまとめた体系である秘教星学(Esoteric Astrology)、乃至その総称であるoccultismで現れる"七光線(seven rays)"を紹介しよう。神智学や秘教星学に於いては、人間は霊・魂・パーソナリティー・メンタル体などから構成されており、それぞれに表1の7つの光線(またはその一部の)の何れかが強く作用する、とされている。従って組み合わせを考えると膨大な数があることになるが、ここではとにかく、表1の光線を形容する表現にのみ、着目する。
表1
●第一光線/意志・力/破壊者(統一者)
●第二光線/愛・智慧/融合者
●第三光線/活動・知性/操縦者
●第四光線/闘争を通じての調和/洗練者
●第五光線/科学・具象的知識/分析者
●第六光線/献身・理想主義/献身者
●第七光線/儀式・秩序・魔術/組織者
(心の声:やはり表が表現できないのは不便)7光線は前半の3つと、第三光線から派生した後半の4つに分けられており、その初めの3つをもう一度記すと、
表2
●第一光線/意志・力
●第二光線/愛・智慧
●第三光線/活動・知性
である。もうここまで、「本能・感情・思考」という3センターやGurdjieffの「人間1号・2号・3号」を連想するに充分だ。而るに後半の4つは全て第三光線から分岐した光線である。そして第四・五光線は直観的表現的・分析的抑制的、第三・六光線は現実的実利的・観念的理想主義的と言う対照的な性格を有し、第七光線が三~六を総合する役目を担っている。但し第三光線は「知性」以外にも「活動・操縦者」という言葉で形容されているから、計画的で実践的で立ち回りの巧みなエニアグラムのタイプ3を思い起こさせるし、第五光線の「科学・具象的知識・分析者」は思索的なタイプ5を連想させる。実際、光線に関する以下の様な記述がある。
◆第三光線は適応性を重んじ過ぎる為、理想を実現する努力を怠るきらいがある。第四光線は溌剌たるアイデアに満ち満ちているが、放恣な行動に誘い易く、アイデアをぴしっと組織する上でやや難点を持つ。第五光線は現実を分析するばかりであり、世界はこうあるべきだ、人間はこうあるべきだ、と言う理想を持つ事にためらいがある。第七光線だけが理想と現実の双方を溶接する事が出来るし、アイデアに具体的な形を与える事が出来る。少なくともその能力が最も大きい。
◆第一光線には統一への理想があるし、第二光線には一体への理想があるし、第三光線には適合への理想がある。また第四光線にはイメージに形を与える理想があるし、第五光線には厳正さへの理想がある。
現実のタイプ3は努力、もっと露骨に言えば自己犠牲によって同情を買う事を潔しとしない、人知れず努力する努力家である場合が少なくないが、その目指す地点は理想と言うより個人的目標だから、上記の第三光線はやはりタイプ3的である。このように考えると、第一・七光線以外は同一の数字で表されるエニアグラムのタイプと似ていることが分かる。類似性をまとめると表3のようになる。
表3
●第一光線/意志・力/破壊者(統一者)/タイプ8
●第二光線/愛・智慧/融合者/タイプ2
●第三光線/活動・知性/操縦者/タイプ3
●第四光線/闘争を通じての調和/洗練者/タイプ4
●第五光線/科学・具象的知識/分析者/タイプ5
●第六光線/献身・理想主義/献身者/タイプ6
●第七光線/儀式・秩序・魔術/組織者/タイプ1
関係者の生没年はG.I.Gurdjieff(1866?~1949)、P.D.Ouspensky(1878~1947)、O.Ichazo(1931~)、H.P.Blavatsky(1831~1891)、A.Bailey(1880~1949)であるから、O.IchazoとH.P.Blavatsky以外は僅かではあっても同じ時代を共有したことになる。従って、数字と性格を結びつけた古代の伝承が、一方では七光線として、他方ではエニアグラムとして体系化された、と考えてもおかしくはない。以上、浅学非才ながら、エニアグラムとの関連を連想させる"七光線"を紹介した。なお表1・2・3の七光線の名称や第三光線の特徴はからセブン・レイズ・サイコロジーから引用した。これでエニアグラムの起源探究に多少なりとも光が当たれば幸いである。
[1]小島露観、セブン・レイズ・サイコロジー、たま出版。たま出版はニューエイジ系の怪しい(?)本を扱う出版社。
Amazonにはもはや古本しかないようだ。しかも「宇釈」という謎のサブタイトルまで付いている。
![](https://assets.st-note.com/img/1729929666-4BGH9aFh6teNA0qwkjfb8pJL.jpg)
追伸:こちらでも7光線が言及されている。
(アクセス不能だが記録として残す)
https://note.com/handrop39/n/n78e622c2861f