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小池一子さんの言葉にもらう希望


本を通して、同時代を生きる先輩の仕事に刺激をもらい、その言葉に励まされることは多い。小池一子さんの仕事を知ることのできる2つの著書は、まさにそんな感じの2冊です。

断片的だった小池さんの情報が、年表のように連なり、その時々でどんなふうに世の中をみつめ、美しいものを讃え、新しい価値観を発信してきたのかが物語のような本になっています。バックボーンの幼いころや近しい方々、お仕事での人間模様もドラマチック。

以前、お見かけした折の笑顔と軽やかさから、86歳と聞いて驚きつつも、書中の写真と文字を追うと、だからなのか!と納得です。

コピーライターとしての小池さんの「言葉」にハッとして、注釈を見るとう自分が生まれる前とか幼少期のころの言葉だったりして、それにも驚くのですが。数十年前のコピー(とかっこいいポスタービジュアル)が、今の私に刺激と希望をくれる感覚が不思議だし、これが小池さんの作品なのだと思うのでした。


自分自身の日々の暮らしを肯定できるような言葉あり、
自分にはない、みずみずしい視座に引き上げてくれるような言葉あり、
(決して若くはない)自分の将来に希望が見いだせる言葉があり、
自分自身にも期待できる気持ちになりました。

無謀なんだけど、いったん始めてしまえば、理解者が増えると思って、とりあえずはやってしまおうと。
『小池一子 はじまりの種を見つける』平凡社
私は感受性があってこその人間性だと思っているんです。ビジネス社会やオフィシャルな社会ではなく、どれくらいヒューマンな社会がつくれるかどうかは、感受性豊かな人間が生きやすい場をつくれるかどうかで決まるんじゃないか。
『小池一子 はじまりの種を見つける』平凡社


「人は食べたものでできている」なんて表現がありますが、
「人はふれた言葉でできている」とも言えそうです。

素敵な言葉をいただいた以上、その後の自分の人生の糧にするか、
次の人につなげられるか、は自分次第。
自らの感受性に目と耳をかけたり、大切にできるのかも、自分次第。

ふと、年表を見てみると、佐賀町エキジビッド・スペースをつくられたとき、小池さんは47歳。(なんといまの私の歳!)
これもまた叱咤激励に違いない、と、勝手にエール受け取る図々しさよ…笑


それにしても。。
佐賀町エキジビッドスペース、実際に空間体験してみたかった〜と切に思いました。当時の自分が悔やまれる…

いまアーツ千代田3331にはその場所と時間と小池さんへの、たくさんの人のオマージュが詰まった空間ができていました。こちらも必見です。

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