Y.MURAYAMA|医療法人 経営戦略部門

作業療法士。 病院経営管理士。社会医療法人の経営戦略部統括副部長。マネジメント修士(M…

Y.MURAYAMA|医療法人 経営戦略部門

作業療法士。 病院経営管理士。社会医療法人の経営戦略部統括副部長。マネジメント修士(MMgt,信州大学経営大学院)。組織学会、病院経営管理士会所属。地域住民の医療リテラシーの向上及び障がい者の自立支援のあり方を模索中。職員の動機づけを高める病院経営や組織運営に関心があります。

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記事一覧

医療従事者の待遇(処遇)改善に思うこと

 2024年9月19日、衆議院議員の小泉進次郎氏のX(旧Twitter)の投稿が、われわれリハ専門職の間で話題になっています。それは、現場のリハ専門職と意見交換を行い、リハ専…

"明日の百より今日の五十"をご褒美に…。

”明日の百より今日の五十”ということわざがあります。このことわざの意味は、以下のように言われています。 このような考え方は日本だけではありません。 このような感…

病院広報のKPIとは何か?

病院経営は極めて厳しい時代を迎えている。2023年度の病院経営定期調査(概要版)によれば、赤字病院の割合は2019年は68.3%であったのに対し、2020年は78.2%に増加し、以後…

日々のアウトプットが私の大切な習慣

はじめに 梅雨入りした休日の早朝、ライオン株式会社とnoteによる「 #日々の大切な習慣 」の投稿企画を見つけた。私の「日々の大切な習慣」とはなんだろう…。すぐに頭に…

バケツで例える「なりたい自分」

私のなりたい自分は、「広い視野で物事を俯瞰できる自分」です。 ① 私のキャリアは、作業療法士というリハ専門職からはじまりました。 その時に見えていたものは、「注い…

人材不足の時代に病院はどう生き抜くか

 少子高齢人口減少社会の影響により、生産年齢人口は縮小の一途を辿っている。これにより、医療従事者等のなり手も縮小し、新卒採用は売り手市場となる。新卒採用が売り手…

300〜
割引あり

時間の使い道を変えて人生を変えよう

 自分で言うのもなんだけど、仕事に対してはこれまでそれなりに努力してきたと思っている。限界まで努力してきたかというとそうでもないけど、少なくとも常に何かを考えな…

なぜ、人材育成はOJTのみでは不十分なのか

経営資源は、人・物・金・情報に時間・知的財産を加えて6つあると言われています。これらの経営資源のうち、扱いによって価値が増減するものは「人(材)」のみです。  人…

仕事をしやすくする人間関係を、「教わる力」で構築しよう!

新年度の1週目が終わりました。新たな職場でスタートを切った方や新社会人の方にとっては、この週末は待ちに待った週末だろうと推測します。私自身も約4半世紀前に新社会…

病院の見張り台に見張り番がいますか?

 病院運営のパターンは、以下の3つに大別されるといいます。 トップ主導運営は、トップダウンによる運営で、創業期に多いとされています。トップが収集した情報と、トッ…

なぜ夫は多少の家事で満足しているのか

「一つ二つ家事を手伝っただけで夫は満足している。」 「こんなに家事に協力しているのに妻は認めてくれない。」 よく聞く夫婦間の愚痴である。 どちらが正しいかを問うか…

持続可能な組織マネジメントの実践と反省

第9回クリニカル・クラークシップに基づく作業療法臨床教育研究会研究大会が開催され、特別講演として「持続可能な組織マネジメントを目指したわれわれの実践と反省」につ…

なぜ、管理監督者と医療従事者は対立するのか

経営者および管理監督者と現場の医療従事者の対立の要因  わが国の医療業界は、少子高齢人口減少社会の影響により、病院経営はとても厳しくなると考えられています。組織…

戦略人事を学び、創業者が夢見たユートピアの具現化に役立ちたい

私は現在、「戦略人事」に関心があります。経営資源には、人・物・金・情報・時間・知的財産・ブランドがあると言われていますが、その価値が急に10分の1になったり急に10…

話し合いとは何か?

 組織マネジメントに関心がある私は、幸いなことに内外のマネジャーと対話する機会をいただいています。そこで、おそらくうまくいっているであろうマネジャーと、うまくい…

100

じりつ支援を通して笑顔と活気を拡げたい

 人生は100年時代と言われており、私はほぼ折り返し地点にいます。一方、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を指す健康寿命は、男性では2019年時…

医療従事者の待遇(処遇)改善に思うこと

医療従事者の待遇(処遇)改善に思うこと

 2024年9月19日、衆議院議員の小泉進次郎氏のX(旧Twitter)の投稿が、われわれリハ専門職の間で話題になっています。それは、現場のリハ専門職と意見交換を行い、リハ専門職の待遇改善に対してスピードを上げて対策を打ちたいという意思表示を示した投稿でした。

 この投稿の内容は、われわれリハ専門職にとっては、とてもありがたい内容に感じました。薄給であるが故に、リハ専門職がその職務のやりがいを唱

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"明日の百より今日の五十"をご褒美に…。

"明日の百より今日の五十"をご褒美に…。

”明日の百より今日の五十”ということわざがあります。このことわざの意味は、以下のように言われています。

このような考え方は日本だけではありません。

このような感覚は、現在では行動経済学の理論の一つである「現在志向バイアス」として整理されています。現在志向バイアスとは、”将来得られる大きな利益よりも、今すぐに手に入る利益を優先してしまうこと”を言います。
 行動経済学は、経済学の拠り所である「人

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病院広報のKPIとは何か?

病院広報のKPIとは何か?

病院経営は極めて厳しい時代を迎えている。2023年度の病院経営定期調査(概要版)によれば、赤字病院の割合は2019年は68.3%であったのに対し、2020年は78.2%に増加し、以後4年連続で70%後半を推移している。病院の開設主体の区分は、国、自治体、その他公的、医療法人、その他私的なものがあるが、国民医療の約8割は私的医療機関が担っていると言われている。私的医療機関は国立病院などと異なり、赤字

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日々のアウトプットが私の大切な習慣

日々のアウトプットが私の大切な習慣

はじめに

梅雨入りした休日の早朝、ライオン株式会社とnoteによる「 #日々の大切な習慣 」の投稿企画を見つけた。私の「日々の大切な習慣」とはなんだろう…。すぐに頭に浮かんだのは、「日々のアウトプット」であった。

文書の長さはどうあるべきか

日々のアウトプットを始めた頃の私は、作業療法士として病院に勤務していた。作業療法士とは、リハビリテーションの専門職の一つで、対象となる方の「よりよく生き

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バケツで例える「なりたい自分」

バケツで例える「なりたい自分」

私のなりたい自分は、「広い視野で物事を俯瞰できる自分」です。


私のキャリアは、作業療法士というリハ専門職からはじまりました。
その時に見えていたものは、「注いでいるものの量」でした。
たとえば、障がい者の方に提供する作業療法であったり、それにより所属企業が得られる診療報酬や介護報酬などです。


次に、マネジャー(部署および部門責任者)になりました。
その時に見えていたものは、「こぼれてい

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人材不足の時代に病院はどう生き抜くか

人材不足の時代に病院はどう生き抜くか

 少子高齢人口減少社会の影響により、生産年齢人口は縮小の一途を辿っている。これにより、医療従事者等のなり手も縮小し、新卒採用は売り手市場となる。新卒採用が売り手市場となると、多くの病院の人材不足は常態化する。すると、中途採用の間口はおのずと広がり、経験や専門性を高めたい職員などの流動性が加速する。その結果、働き手に選ばれない病院の人材不足はさらに深刻化し、医療サービスの質を保つことすら困難となる可

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時間の使い道を変えて人生を変えよう

時間の使い道を変えて人生を変えよう

 自分で言うのもなんだけど、仕事に対してはこれまでそれなりに努力してきたと思っている。限界まで努力してきたかというとそうでもないけど、少なくとも常に何かを考えながら時間を投資してきた。時間を投資することに抵抗感はなかった。なぜなら、時間が有限であるという実感が全くなかったからだ。

 上のグラフは、わが国の平均寿命と健康寿命の推移を示している。健康寿命とは、”健康上の問題で日常生活が制限されること

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なぜ、人材育成はOJTのみでは不十分なのか

なぜ、人材育成はOJTのみでは不十分なのか

経営資源は、人・物・金・情報に時間・知的財産を加えて6つあると言われています。これらの経営資源のうち、扱いによって価値が増減するものは「人(材)」のみです。
 人(材)の価値を高めるためには、効果的で持続的な人材育成が必要です。その手段はいくつかありますが、OJT(On the Job Training)に依存する組織も少なくないように感じます。

ところで、有名なP.F.ドラッカーは、われわれリ

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仕事をしやすくする人間関係を、「教わる力」で構築しよう!

仕事をしやすくする人間関係を、「教わる力」で構築しよう!

新年度の1週目が終わりました。新たな職場でスタートを切った方や新社会人の方にとっては、この週末は待ちに待った週末だろうと推測します。私自身も約4半世紀前に新社会人となり、これまで転職を1回、大きな異動を3回経験しました。したがって、環境が変わったばかりの方の今の複雑な心情は、自分のこととして想像できます。
 さて、私には、転職と異動の経験から得た”仕事のコツ”がいくつかあります。その中の一つである

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病院の見張り台に見張り番がいますか?

病院の見張り台に見張り番がいますか?

 病院運営のパターンは、以下の3つに大別されるといいます。

トップ主導運営は、トップダウンによる運営で、創業期に多いとされています。トップが収集した情報と、トップのこれまでの経験に基づく直感や感性で意思決定されます。したがって、意思決定と実行に移すスピードが早いという利点があります。
 しかし、それ故に、トップが観察できる範囲を超えた問題は認知されません。また、指示に従うことが求められることで、

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なぜ夫は多少の家事で満足しているのか

なぜ夫は多少の家事で満足しているのか

「一つ二つ家事を手伝っただけで夫は満足している。」
「こんなに家事に協力しているのに妻は認めてくれない。」
よく聞く夫婦間の愚痴である。
どちらが正しいかを問うから、喧嘩になるのだ。

これら二つの主張は、多くの場合はどちらも正しい。
つまり、夫の達成感と妻の満足度が乖離しているのだ。

内閣府の資料によると、今は共働き世帯が非常に多い。
つまり、家事を分担する必要性は、現代ではすでに誰も疑ってい

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持続可能な組織マネジメントの実践と反省

持続可能な組織マネジメントの実践と反省

第9回クリニカル・クラークシップに基づく作業療法臨床教育研究会研究大会が開催され、特別講演として「持続可能な組織マネジメントを目指したわれわれの実践と反省」についてお話をさせていただきました。
 クリニカル・クラークシップに基づく作業療法臨床教育研究会は、以下の趣旨で設立された研究会です。

社会の要請に見合うOT有資格者の育成の課題は養成校のみではなく、われわれ臨床教育を行う側の課題でもあると感

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なぜ、管理監督者と医療従事者は対立するのか

なぜ、管理監督者と医療従事者は対立するのか

経営者および管理監督者と現場の医療従事者の対立の要因

 わが国の医療業界は、少子高齢人口減少社会の影響により、病院経営はとても厳しくなると考えられています。組織が生き残るためには、外部環境に適応するだけでは不十分であり、経営者や管理監督者の視座は常に外部環境の進化の先にあることが重要と考えられています。つまり、経営者や管理監督者は、ビジョナリーであることが求められていると考えることができます。

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戦略人事を学び、創業者が夢見たユートピアの具現化に役立ちたい

戦略人事を学び、創業者が夢見たユートピアの具現化に役立ちたい

私は現在、「戦略人事」に関心があります。経営資源には、人・物・金・情報・時間・知的財産・ブランドがあると言われていますが、その価値が急に10分の1になったり急に10倍になったりする経営資源は人だけです。一方、わが国の生産年齢人口は確実に減少することがわかっています。つまり、人という経営資源の価値を高めることは、組織の持続可能性という視点で極めて有用であると思うのです。
 戦略人事とは、“経営資源の

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話し合いとは何か?

話し合いとは何か?

 組織マネジメントに関心がある私は、幸いなことに内外のマネジャーと対話する機会をいただいています。そこで、おそらくうまくいっているであろうマネジャーと、うまくいっていないと自覚しているマネジャーの決定的な違いは、組織メンバーとの「話し合い」の内容ではないかと感じていました。そんな時、中原 淳 著“「対話と決断」で成果を生む話し合いの作法”(PHPビジネス新書)を拝読し強く共感しました。
 そこで本

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じりつ支援を通して笑顔と活気を拡げたい

じりつ支援を通して笑顔と活気を拡げたい

 人生は100年時代と言われており、私はほぼ折り返し地点にいます。一方、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を指す健康寿命は、男性では2019年時点で72.68歳(厚生労働省)であることから、私が全力で夢を追えるのはあと20年位と考えています。
 しばしば人は、人生は永遠に続くかのように錯覚し、時間の価値を低く見積もることがあります。しかし、人生には必ず終わりがあり、個人差はあ

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