Y.MURAYAMA|医療法人 経営戦略部門

作業療法士。 病院経営管理士。社会医療法人の経営戦略部統括副部長。マネジメント修士(MMgt,信州大学経営大学院)。組織学会、病院経営管理士会所属。地域住民の医療リテラシーの向上及び障がい者の自立支援のあり方を模索中。職員の動機づけを高める病院経営や組織運営に関心があります。

Y.MURAYAMA|医療法人 経営戦略部門

作業療法士。 病院経営管理士。社会医療法人の経営戦略部統括副部長。マネジメント修士(MMgt,信州大学経営大学院)。組織学会、病院経営管理士会所属。地域住民の医療リテラシーの向上及び障がい者の自立支援のあり方を模索中。職員の動機づけを高める病院経営や組織運営に関心があります。

マガジン

  • リハ学生

    リハ専門職を目指す学生向けの発信。 学生の意見交流のプラットフォームとなることが目的。全て無料。

  • リハマネジャー

    リハマネジャー向けの情報やつぶやき。 マネジャー業務に有益で、情報収集にコストが生じたものは一部有料。

  • 経営幹部

    経営幹部に必要な記事。 施設を越えた経営幹部間の意見交換のプラットフォームとなることが目的。一部有料。

  • 徒然日記

    思いつくままに描いた備忘録です。 コンテストなどへの応募記事を綴ります。 コンテスト期間中以外は非公開となります。

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今後、リハ専門職は何を目指すべきか

 1998年4月に始まった私の作業療法士としての臨床経験は、23年3か月で一旦幕を閉じました。今後は法人本部の経営戦略部の事務職員として、地域住民が安心して生活できる地域づくりに過去の経験を活かして貢献したいと考えています。  そこで本日のnoteでは、私がリハ部門の管理職として考えてきた「今後、リハ専門職は何を目指すべきか」についてを整理します。今回のnoteは、私のリハ部門での卒業noteとなります。少しでも多くのリハ専門職の皆さまにご覧いただき、業界の将来を考えるきっか

    • リハ専門職の人材不足をマネジメントで乗り越えられるのか?

       本noteは、2024年11月15日に開催された、全国病院経営管理学会 第59回大会のシンポジウムで筆者が講演した要旨です。  この内容は、全国病院経営管理学会リハ専門委員会の発足からこれまでの8年間の調査研究の結果に基づいています。われわれの活動の内容を多くの方々に知っていただき、業界を挙げてマネジメントの課題に取り組む契機になればと考え、事務局の許可を得て公開します。 外部環境の外観  医療・福祉産業における2040年の産業別就業者数は974万人と推計されています。

      • なぜ、ストレスは解消されないのか?

         「あなたのストレスの解消法は何ですか?」と問われたとき、あなたはどのように答えますか?  「体を動かす」、「今の気持ちを書いてみる」、「腹式呼吸を繰り返す」、「なりたい自分に目を向ける」、「音楽を聞いたり、歌を歌う」、「失敗したら笑ってみる」。これらは、厚生労働省が紹介している、”こころと体のセルフケア”です。  一方、「飲酒」、「喫煙」、「やけ食い」、「過度な買い物」、「寝過ぎ」、「自傷」、「ギャンブル」は、マイナビが紹介している、”やってはいけないこと”です。  あ

        • 職員満足度調査の要素から考える部署目標達成のための実践のあり方

           本noteは、第65回 全日本病院学会(京都)にて口演した内容の要旨です。  この口演は、部署目標の指標達成に職員のワークモチベーション、ワークライフバランス、所属長の段取り力および信頼度がどう影響するかの関係仮説図を用いた統計的分析により、チーム力向上の視点でミドルマネジャーの負担とマネジメント上の課題を明らかにしたものです。  あくまで、個人的な記録です。

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        今後、リハ専門職は何を目指すべきか

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        記事

          リハ専門職の直接的介入は、間接的介入に置き換えられるのか?

          私たち、全国病院経営管理学会リハ専門委員会では、「リハ専門職の包括化を見据えた効果的・効率的な介入のあり方を創造し具現化する」ことをビジョンとして活動してきました。  本noteでは、2024年10月4日に開催した「全国病院経営管理学会リハ専門委員会報告会」における小生の講演「直接的介入は間接的介入に置き換えられるのか-リハ専門職が介入すべき直接的介入を明確化する-」の要旨を記します。 まず、私たちが間接的介入を考えるに至った要因を説明します。下の図は、2023年度の報告会

          リハ専門職の直接的介入は、間接的介入に置き換えられるのか?

          プロフェッショナルとは、「通常と異なること」

          五十路を間近に控えた年齢になり、はじめて漫才を劇場で観覧した。 観客は10代から20代の女性がほとんどだった。 同い年の同僚が苦労して4列目中央のチケットをとってくれた。 ステージ近くのほぼど真ん中に五十路間近のおじさん二人。 やはり目立っていたのだろう。 プロフェッショナルの芸人さんたちとは何度も目が合った。 そして、2時間弱の公演は、あっという間に過ぎていった。 プロフェッショナルの漫才は、もちろん、とてもおもしろかった。 そして何より、『かっこよかった』。 本当に、か

          プロフェッショナルとは、「通常と異なること」

          医療従事者の待遇(処遇)改善に思うこと

           2024年9月19日、衆議院議員の小泉進次郎氏のX(旧Twitter)の投稿が、われわれリハ専門職の間で話題になっています。それは、現場のリハ専門職と意見交換を行い、リハ専門職の待遇改善に対してスピードを上げて対策を打ちたいという意思表示を示した投稿でした。  この投稿の内容は、われわれリハ専門職にとっては、とてもありがたい内容に感じました。薄給であるが故に、リハ専門職がその職務のやりがいを唱える一方で、なり手を自ら抑制するような発信をSNS上で散見します。  事実、リハ

          医療従事者の待遇(処遇)改善に思うこと

          "明日の百より今日の五十"をご褒美に…。

          ”明日の百より今日の五十”ということわざがあります。このことわざの意味は、以下のように言われています。 このような考え方は日本だけではありません。 このような感覚は、現在では行動経済学の理論の一つである「現在志向バイアス」として整理されています。現在志向バイアスとは、”将来得られる大きな利益よりも、今すぐに手に入る利益を優先してしまうこと”を言います。  行動経済学は、経済学の拠り所である「人間は公理的な選択を行う」という合理的選択理論の批判的研究から生まれました。つまり

          "明日の百より今日の五十"をご褒美に…。

          病院広報のKPIとは何か?

          病院経営は極めて厳しい時代を迎えている。2023年度の病院経営定期調査(概要版)によれば、赤字病院の割合は2019年は68.3%であったのに対し、2020年は78.2%に増加し、以後4年連続で70%後半を推移している。病院の開設主体の区分は、国、自治体、その他公的、医療法人、その他私的なものがあるが、国民医療の約8割は私的医療機関が担っていると言われている。私的医療機関は国立病院などと異なり、赤字となっても税金による補填などの助け船は無い。  病院の経営改善を図るには、収入を

          日々のアウトプットが私の大切な習慣

          はじめに 梅雨入りした休日の早朝、ライオン株式会社とnoteによる「 #日々の大切な習慣 」の投稿企画を見つけた。私の「日々の大切な習慣」とはなんだろう…。すぐに頭に浮かんだのは、「日々のアウトプット」であった。 文書の長さはどうあるべきか 日々のアウトプットを始めた頃の私は、作業療法士として病院に勤務していた。作業療法士とは、リハビリテーションの専門職の一つで、対象となる方の「よりよく生きる」を共に考えて伴走することを仕事としている。  対象者の「よりよく生きる」を考

          日々のアウトプットが私の大切な習慣

          バケツで例える「なりたい自分」

          私のなりたい自分は、「広い視野で物事を俯瞰できる自分」です。 ① 私のキャリアは、作業療法士というリハ専門職からはじまりました。 その時に見えていたものは、「注いでいるものの量」でした。 たとえば、障がい者の方に提供する作業療法であったり、それにより所属企業が得られる診療報酬や介護報酬などです。 ② 次に、マネジャー(部署および部門責任者)になりました。 その時に見えていたものは、「こぼれているものの量」でした。 たとえば、オペレーションのムダ・ムラ・ムリであったり、それ

          バケツで例える「なりたい自分」

          人材不足の時代に病院はどう生き抜くか

           少子高齢人口減少社会の影響により、生産年齢人口は縮小の一途を辿っている。これにより、医療従事者等のなり手も縮小し、新卒採用は売り手市場となる。新卒採用が売り手市場となると、多くの病院の人材不足は常態化する。すると、中途採用の間口はおのずと広がり、経験や専門性を高めたい職員などの流動性が加速する。その結果、働き手に選ばれない病院の人材不足はさらに深刻化し、医療サービスの質を保つことすら困難となる可能性が高い。

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          時間の使い道を変えて人生を変えよう

           自分で言うのもなんだけど、仕事に対してはこれまでそれなりに努力してきたと思っている。限界まで努力してきたかというとそうでもないけど、少なくとも常に何かを考えながら時間を投資してきた。時間を投資することに抵抗感はなかった。なぜなら、時間が有限であるという実感が全くなかったからだ。  上のグラフは、わが国の平均寿命と健康寿命の推移を示している。健康寿命とは、”健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間”をいい、2019(令和元)年の健康寿命は男性72.68歳、女

          時間の使い道を変えて人生を変えよう

          なぜ、人材育成はOJTのみでは不十分なのか

          経営資源は、人・物・金・情報に時間・知的財産を加えて6つあると言われています。これらの経営資源のうち、扱いによって価値が増減するものは「人(材)」のみです。  人(材)の価値を高めるためには、効果的で持続的な人材育成が必要です。その手段はいくつかありますが、OJT(On the Job Training)に依存する組織も少なくないように感じます。 ところで、有名なP.F.ドラッカーは、われわれリハ専門職を医療テクノロジストに区分しています。 われわれが医療テクノロジストと

          なぜ、人材育成はOJTのみでは不十分なのか

          仕事をしやすくする人間関係を、「教わる力」で構築しよう!

          新年度の1週目が終わりました。新たな職場でスタートを切った方や新社会人の方にとっては、この週末は待ちに待った週末だろうと推測します。私自身も約4半世紀前に新社会人となり、これまで転職を1回、大きな異動を3回経験しました。したがって、環境が変わったばかりの方の今の複雑な心情は、自分のこととして想像できます。  さて、私には、転職と異動の経験から得た”仕事のコツ”がいくつかあります。その中の一つである「教わる力」は、環境が変わったばかりの方にとって有用と感じます。そこで本note

          仕事をしやすくする人間関係を、「教わる力」で構築しよう!

          病院の見張り台に見張り番がいますか?

           病院運営のパターンは、以下の3つに大別されるといいます。 トップ主導運営は、トップダウンによる運営で、創業期に多いとされています。トップが収集した情報と、トップのこれまでの経験に基づく直感や感性で意思決定されます。したがって、意思決定と実行に移すスピードが早いという利点があります。  しかし、それ故に、トップが観察できる範囲を超えた問題は認知されません。また、指示に従うことが求められることで、受け身的な職員が増えやすいという欠点もあります。 本部主導の運営は、本部がデー

          病院の見張り台に見張り番がいますか?