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夜のロサンゼルスを駆けめぐる衝撃作 — 『ナイトクローラー』のダークな魅力

【映画を観る理由】

最近、インスタのリールやショート動画を延々と見続けてしまい、時間の使い方が気になっていた。もっと有意義なことに時間を割きたいと思っていたところ、手軽に観られるAmazonプライムの洋画を物色していて出会ったのが『ナイトクローラー』。刺激的なタイトルと主演のジェイク・ギレンホールという響きに惹かれて、気づけば再生ボタンを押していた。


ざっくりストーリー紹介

『ブロークバック・マウンテン』などで知られるジェイク・ギレンホールが主演を務めるサスペンススリラー。
仕事に就けず軽犯罪で日銭を稼いでいた男、ルイス(通称“ルー”)が、事故や事件の現場にいち早く駆けつけ、その映像をテレビ局に売る“スクープ専門パパラッチ”として成功を収めていく物語。
最初は小さな事故現場の映像を買い取ってもらうだけだったが、視聴率を稼ぐための刺激的なニュースを求めるテレビ局に取り入るうち、ルイスの行動は徐々に常軌を逸し始め、ついには一線を越えてしまう。


感想

ニュース番組などで事件や事故、災害の映像が流れるたびに、「どうやって撮ってるんだろう」「撮影者の倫理観は大丈夫なのか?」と思ったことはありませんか? 
この映画を観ると、その裏側を“第三者視点”というより“当事者視点”に近い形で追体験する感覚になる。実際にこんな無神経な人たちがいるのかと思うと、正直気分は良くない。
でも主人公ルイスは全く悪びれず、むしろ次のスクープを狙って命を賭ける。そのモラルの欠如ぶりに、観ているこちらは「え、そこでカメラ回す!?」「最悪…」と呆れながらも、スクリーンから目が離せなくなる。


主人公ルイスが“最高にイヤなヤツ”

ジェイク・ギレンホール扮するルイスのキャラクターが圧巻です。
一見穏やかに話しているようで、人を脅し、黙らせ、利用し尽くす。
計画性と行動力に長けていて、自分をのし上げるためなら手段を選ばない。
観ていると、「いやいや、こんな人現実にいたら絶対関わりたくない」という嫌悪感が湧き上がるほどの極悪っぷり。
しかし同時に、その強烈な“引力”に惹かれてしまう。
ギレンホールの細やかな表情演技が相まって、ついつい見入ってしまう。


怒りを鏡にぶつけるシーン

胸糞悪さの奥にあるもの

事故や犯罪の被害者は、当然ながら心身ともに傷つき、辛い思いをしている。しかし撮影者やテレビ局は、そんな被害者の気持ちよりも“視聴率”を最優先させる。
これは映画の中だけの話ではなく、現代社会にも通じるテーマだ。
モラルとビジネスの境界が曖昧になるとき、人間の醜さが露わになる。
そのドロドロとした泥沼に足を突っ込むとき、私たちはどこまで正気を保てるか?
『ナイトクローラー』はそうした“後味の悪さ”を強烈に突きつける作品である。


なにやら作業中、、、

まとめ:後味の悪さが醍醐味

鑑賞後、「観なきゃよかったかも…」と思うくらいの暗い気持ちになるかもしれない。それでもオススメしたいのは、この作品がリアルな問題を抉り出し、人間の弱さと欲望を鋭く描いているから。
人間は時に恐ろしい選択をし、踏み外していく。
その過程を生々しく描いているからこそ、観る者は“人間の本性”を突きつけられてしまう。
観終わった後味は保証しませんが、心に残るインパクトは間違いない。


これにて今回の感想文はおしまいです。
お読みいただきありがとうございました。
今日も明日も、読んでくださった皆さんにとって善い一日でありますように。

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