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始まりは温泉とワインだった

ひさしぶりにエーデルワインを飲んだ。
岩手県産のぶどうをつかった岩手県産のワイン。

大学生のころ、仕事仲間と岩手旅行した。
(学生時代からライターをしていた)
35年ぐらい前のこと。
大沢温泉、鉛温泉、いくつか花巻の温泉をはしごして、
初めての湯あたりも経験して、
花巻市大迫にあるエーデルワインのワイナリーにいった。

工場見学して飲んだエーデルワインがすごく美味しくて、
なぜ岩手でワインをつくっているのかの物語に感動して、
工場長(のような男性)に、
「弟子入りさせてください」
と、半分真面目にお願いした。
それくらい美味しかったのと、
どうやったって生きていけるなんていう、
若者あるあるの根拠なき自信から。

そしたらその工場長、
「ぶどうつくってから来い」
とピシャリ。

それでワイン職人になることはやめたが、
一升瓶のエーデルワインを取り寄せて、
自宅で飲んだり、ホームパーティに持っていったり。

ネットのない時代にどうやって地方のものを買っていたんだろう。
DMが来てそれで注文していたのか?
はがきを送っていたのか、FAXでだったか。
それは思い出せないけど、
そうやって思い起こせば、わたしと岩手とのつながりは、
2011年の震災ではなくて、エーデルワインからだった。