【満腹放浪記14】名前のないレストランの「韓国風ゆで豚」にプライドをずたずたにされそうになった
ひさしぶりにがんちゃんとランチ。
「がんちゃんむらさんの 満腹放浪記」(named by釜石図書館カワハタ館長)。
移住者にして地元の誰よりも釜石のランチ事情に詳しいがんちゃんに今回連れて行ってもらったのは、「釜石復興ビル」。
ビル、といっても実はホテル。
2011年の震災後、復興建築工事の人たちのために2012年に建てられ、
いまでも作業現場のお客さんが多いが、
もちろん一般の旅行客も大学生のゼミ合宿などでも利用され、
朝食付きで一泊6,000円台とめちゃくちゃリーズナブル。
ふつう、ホテルのレストランはなんらかの名前がついてるけれども、
ここは名前なし。いさぎよし。市民から「復興ビル」と呼ばれている。
がんちゃん、「ここは穴場!」、と。
みんな「復興ビル」は知ってても、そこにレストランが入ってるとは知らない。
知ってても、「工事の人たち専用」バイアスがかかっていて利用しない。
食べログにある情報も乏しいから、
観光や出張で釜石に来た人には見えないステルス食堂。
それが穴場①。
穴場②は、メニューが豊富。
メニューが豊富といっても、日替わり定食一択しかない。
日替わり定食一択しかないけれども、
ひと月で一品たりとも被らないバラエティさ。
その日は「韓国風ゆで豚 生野菜と辛味噌添え」。
ゆでた豚肉と辛味噌がビッタリコンビで、
肉に辛味噌を乗せてレタスに巻いて食べたり、
さらに白菜キムチをトッピングしたり、
ごはんにもばっちりの相性だから、お箸が休まるいとまがない。
なので、「ごはん少なめ」にしてもらったことが悔やまれる。
ごはんをよそってくれたお兄さんが、
「おかわりしてもいいですよ」
と笑顔でいった、その笑顔の意味がわかった。
あれは営業スマイルではない。
ぜったいに「ごはんはこの量じゃ足りないよ」という自信の現れ、
あるいは「少なめ」から「おかわりという大盛り」へと転向するわたしを迎え入れてくれるやさしさの微笑みではないか、と察した。
しかしわたしにもプライドがある。
それは食を愛するものとしてのホコリといってもいい。
でもがんちゃん、
「おかわりいってきます!」
からの置いてかれ感がすごく辛かった……。
コーヒー飲み放題だし、
デザートのマンゴープリンも美味しかった。
これで700円は、穴場③だな。
次はどれを食べようか、メニューから目が離れない。
( ↑ 読み返したらけっこうおもしろい文章になってた。こっちもぜひ)