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『独学の技法』という本を読んでいる。

独学=自分一人で学ぶ、ってことが必要だ、と著者の山口周さんはいう。
もちろん、たった一人で本を読んで勉強するのだけが「独学」ではなく、学校に通っても研修に参加してもいい。
要するに、小学校、中学校、高校の12年間、
大学に行く人はプラス4年の16年間以外にも、
自分の意志で学ぶことが必要だ。

なぜなのか。

人生100年時代である。
リンダ・グラットンの『LIFE SHIFT(ライフシフト)』では、
人の寿命は100年になる時代には、現役でいられる時間も長くなる。
これまでは60歳代で引退していたのが,
70代80代まで働かなくてはいけない。

一方で、活力があって社会的な存在感を示している時期を「旬」とすれば、
企業や事業には「旬の寿命」というものがあって、
日経ビジネスと帝国データバンクとの共同調査によれば、
その「旬の寿命」はだいたい10年、ということになった。

会社の寿命はもっと長いかもしれない。
でも、100年はめったにもたない。
だとすれば、創業10年の会社に就職したら、
60年働くうちに旬の時期を味わうことができるけれども、
なんか冴えない、売上が上がらず給料も上がらない時期のほうが長くなる。
下手すれば倒産する。

多かれ少なかれ、みんなそんな運命にある。
キャリアアップができるかどうか。
転職したって同じことの繰り返し。
であれば、自分で実力をつけて、
給料が上がっていく波に乗れるか、
やりがいのある仕事に乗り換えることができるか。

「仕事のやりがい」
「経済的報酬」
「精神的な安定」
この3つを山口周さんは「総体としての『人生の豊かさ』」と呼び、
波に乗ったり乗り換えたりできるかどうかで、
享受できる「総体としての『人生の豊かさ』」に大きな格差が生まれてしまう。

失業するわけではないけど、
あまりやりがいが感じられないし、
給料も上がらない。
だから精神的にいつも不安を抱えてしまう、
という状態になってしまう前に、
自分自身で独学して、知的な戦闘力をつけましょう、
ということ。


『知的な戦闘力を高める 独学の技法』 山口周 日経ビジネス文庫 2024年