コミュニティありきの生き方
「農家はコミュニティありきなんだよね」
秋田に田んぼのお世話をしにきている。
農園主のコーセー(菊地晃生)さんのお言葉。
都会にいると、他人と関わりなく生きていくことができる。
マンションでも戸建てでも、
お隣さんとは挨拶程度、
自治会や町内会にも加入しなくていいし、
消防団なんてどうでもいい。
自宅自室とコンビニがあれば、それでいい。
けど地方の、しかも農家はそうではない。
自分たちの田んぼがあり畑があり、
そのとなりにはほかの人の田んぼがあり畑があり、
そこで暮らしている限り、
自分たちだけで生きていくことはできない。
どんな田んぼにしているのか、
畑でどんな作物をつくっているのか、
仕事場はすべてオープン、すべて他人に見られている。
働き方だったり、生き方だったりも、
その仕事場を見ればわかる。
これは究極の自己開示だ。
そしてこれはきつい。
しかしここから、信頼が生まれる。
「農家は傾聴することが仕事」
コーセーさんはいう。
地域の人たちが話していることに耳を傾け、
受け取りながら、自分も主張していく。
だから、
「議論じゃなくて対話が必要」
になる。
AかBかではなく(議論=ディスカッション)、
AもBも、なんならCつくります(対話=ダイアログ)。
農家以外も、コミュニティありきでありたい。