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セザンヌもルノアールもゴーガンもスルーして

思い立って美術館にいった

ひさびさに自己肯定感が上がった。
なかなかいいじゃん、と思った。

友人たちと、「対話型鑑賞」をしてきた。
国立西洋美術館で、「自然と人のダイアローグ」展で。
サブタイトルに「フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで」。
正直いって、マネとゴッホしか知らない。

フリーランスで時間が自由に調整できるデミちゃんとエリコと3人で、
しかも3人とも「学割」入場。
通信制の大学だったり、大学院だったり。
仕事しながら、学んでいる3人でもある。

(そういえば、社会人大学とか社会人大学院とか、
そんな日本特有の呼び方はやめたほうがいい、という意見を聞いたことがある。
山口周さんだったか、twitterで。
理由は、「社会人大学院」とは、
ふつう社会人になると学ばないことを前提とした呼び方である。
社会人でも学べる大学院ですよ、というのは終わってる。と)

「対話型鑑賞」は、複数の人と対話をしながら美術作品を鑑賞する。
自分が思ったこと、自分で発見したこと、
をお互いにおしゃべりしながら、絵画とか彫刻とかを観ていく。

いま、たいていの美術館と博物館では、
会話してもOKということになっている。
コロナ感染の恐れがあるからNGにしているところもあるが、
基本的には会話OK、写真撮影もOK。

美術館、博物館は進化している。

How to 対話型鑑賞

「対話型鑑賞」のやり方はいくつもある。
わたしたちが昨日やったのは、
一人で観る→一人3点ずつ選んでみんなでおしゃべりしながら観る。
という流れ。なので、
①まず、一人でざーっと展示の全体を眺めてみる(90分)。
②眺めながら、いくつか目星をつけていく。
③目星をつけたものは、少しじっくり見ながらメモを取ってみる。

メモは、『こどもと大人のための ミュージアム思考』の稲庭彩和子さんが講演でおっしゃっていたことで、視覚情報を言語化する。
絵を観て思ったことを、言葉にしてみる(スケッチする、っておっしゃってたかも)。これ、なかなか難しいから、少しずつ慣れていけると思う。

④ざっと見たら、入り口に戻りながら目星のを確認する。
⑤みんなでおしゃべりしながら、自分「推し」の絵を観る。

一作品を5分ぐらい。
ざーっと見てた作品を、じっくりと観る。
ダイアログする。
すると、みんなの意見を取り入れながら観るから、
自分のメモにある言語化したものから、
さらに深化していっているのがわかる。

自己肯定感も爆上がり

そうすると、自己肯定感が上がっていく。
なぜかというと、
100ぐらいある中で3つを選ぶとき、
作者のネームバリューではなく、自分の感性で選ぶ。
私たちの場合、ゴーガンもセザンヌもルノアールも、
結果としてスルーすることになった。
それがひとつ。

もうひとつは、自分が選んだ絵を、
みんなが観て評価をしてくれること。
なんか、自分が発掘してきた作家の絵のような気分になる。

最後に、他者理解が進む。
お互いに否定しないし、お互いの意見をかぶせていく。
なるほどそんな考えもあるな、と感心したりしながら、
その人への理解が深くなっていく。

こんな働き方もある

遊んでるの? といわれれば、遊んでるのかもしれない。
いいな〜そんな時間があって、といわれれば、いいのかもしれない。

遊んでんのかもしれないけど、自己肯定感は上がった。
アートを観ること、審美眼も一歩か二歩か進んだ。
他者理解力もちょこっとついた。

ヒューマンスキルを磨くことを遊びだとはいわないし、
そんな時間をひねり出せる働き方を選択している。

ワンセット3時間ほど。
「対話型鑑賞」はオススメ。