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実際には自分の体調は自分では整えられない
自分の体調を、自分で整えていますか?
という問いに、
「イエス」でも「ノー」でもなく、
「わからない」
という答えがあるのだろうか。
連日大隈塾だった。
昨日は、「ボディ・コンディショニング」。
講師は有吉与志恵さん。
ヨシエさんの提唱するコンディショニングとは、
身体と心が喜ぶ「good condition」な状態を手に入れる運動で、
目指すところは「セルフコンディショニング」。
つまり、自分でコンディションを整えられること。
そのためにはまず、
ちゃんと食べて、ちゃんと寝る。
これは、自分でコントロールできる。
食べることと寝ること。
それぐらい、自分でコントロールできる。
……はず。
受講生からの質問があった。
「睡眠時間が取れない。どうしたら健康でいられますか?」
聞けば、毎日23時まで仕事、翌朝定時に始業。
受講生の大半が、というかほぼ全員が、
「そりゃムリだよね。けど、それもしょうがないよね」
と思っていたかもしれない。
会社から求められれば、それに応えるしかない。
もしそれに応じなければ、
昇進できないか、居続けることすらできないだろう。
ストイックなダイエットをして、寝る間を惜しんで自己啓発書を読み漁って、健康を損なってまで仕事に注力することは、「セルフヘルプ」(自分磨き)として今までのメインストリームカルチャーのなかでは「良いこと」であるとされてきた。しかし、これらは実際は資本主義という大きな機械のために自らを犠牲にしてまで「より効率の良い歯車」になるためのプロセスでしかなく、実は「一人の人間としての自分」の精神を置き去りにしている行為でもあるのだ。
世代を問わずビジネスパーソンに対して、
「自分の体調を、自分で整えていますか?」
と問いかけたとき、
「ノー」と答えたくないから「イエス」なんだけど、
そうすればいまのワークスタイルを犠牲にすることは確実で、
だから実は「わからない」なのではないだろうか。
世代を問わずビジネスパーソンにとっての一番の悩みは、
「自分の体調を自分で整えることができない」
ことかもしれない。
『世界と私のA to Z』 竹田ダニエル 講談社 2022年