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岩尾憲が好きで、徳島ヴォルティスが好きだという話。


わたしは岩尾憲が好きだ。

ヴォルティスサポはみんなが好きだろうと言われるかもしれないけど、そんなふうに一括りにされたくないほど好きだ。

2016年に移籍してきた頃から、そのプレースタイルに惹かれてすぐに好きになった。もともと衛藤裕選手や日本代表遠藤保仁選手が好きだったから、憲さんのプレーを好きにならない理由はなかった。

翌年、リカルド監督体制になりキャプテンを任されてからの憲さんは、ここで語るまでもなく周知のとおり。プレーだけでなくその人格に惚れ込んだ。

ピッチ内はもちろん、ピッチ外での振る舞い、リーダーシップ、広い視野、言語化能力。持つ能力すべてをヴォルティスに注いでくれている。

サッカー選手という以前に、人として尊敬している人間だ。


「チーム」で戦うこと

彼は、自分の能力を最大限発揮するためには、自分だけではなくて人の力が必要だと言う。

それは綺麗事ではなくて、2018年の相次ぐ個人昇格・夏移籍をはじめとしたチーム崩壊の経験に基づく。自分一人がよければそれでいいというマインドでは、チームとして最大の力を出せず、それが結果として個人のためにもならない。

憲さんはインタビューで、試合に絡めていない選手や難しい状況にある選手にも言及することがある。

特に印象的だったのが、第23節長崎戦の試合後コメント。途中交代が多く本職ではないポジションで出ている岸本選手がアシストして勝利した試合。

憲さんはこの試合で「1人だけ名前を挙げるとすれば岸本選手」とし、
「メンタル的にもサッカー選手としての起用のされ方としても難しさがある中で、あれだけチームの救いになる最後のプレーを選択できるプロフェッショナル精神に、尊敬したい。尊敬しています」と話した。

この言葉は、岸本選手だけでなく、他の選手にも響いたことだろう。

チームメイトを取りこぼさないように目を配って、その人を引き上げ、まっすぐな言葉で外部に伝えるキャプテン。好きになるしかないでしょう。

加えて、公式に外部へ発信することで、選手はもちろん、サポーターや地域の人々まで巻き込んだチーム作りに努めているんだろうなと個人的に思っている。


信じることと続けること

わたしは今季、生まれて初めてユニフォームに選手の背番号を入れた。

もちろん8番、岩尾憲。

これまでは、選手を好きになればなるほど移籍が怖くて、番号を背負えなかった。特に2018年、夏移籍で去った選手のユニフォームを着るサポーターを見るのが辛かった。

だけど、憲さんにならすべてを懸けられる。意を決してマーキングを入れた。

初めてこのユニフォームを着たのが、中断明け初有観客試合の第5節山口戦。この試合で憲さんはゴールを決め、勝利した。

わたしは心の底から幸せに思った。

ピッチに立つ彼と同じユニフォームを着て現地で戦えることが、これほどまでに幸せなことだとは思わなかった。彼を信じてよかった。

(本当はこのユニフォームに憲さんのサインをもらうまでが夢なんだけど、今季はファンサービスがなくて叶っていないのが少し残念、、)


この4年間、憲さんにもJ1から声が掛かった時期もあっただろう。それでも、今この瞬間まで徳島で全力を尽くすことを選んでくれた。

続けることを選ぶのは、難しいことだと思う。昨季よりさらにいい結果を求められるのだから。

だが、そんな困難な状況をむしろ糧にし、憲さんもヴォルティスもさらに強くなった。

2017年の届きそうで届かなかったプレーオフ、2019年のあと一歩で掴み損ねた昇格。

そして、2020年のヴォルティスはさらに強くなり続け、現時点でJ2首位を走る。

最大限を積み重ねること

今年は得点の多さから攻撃的なチームだと言われがちだが、私には守備を重視しているように映る。

前線の垣田・渡井選手から連動して、西谷・杉森・浜下選手がプレスをかけ、岸本・藤田・田向選手がスライドする様子なんて見ていて気持ちがいい。

再現性の高いヴォルティスのサッカーは、積み重ねるごとに強くなる。

シーズン途中の補強をしない選択をしたが、リカルド監督の「我々に補強の必要はない。今いる選手を信頼している」という言葉は本心だろう。

とはいえ、このリカルドの言葉には熱くならざるを得ない。選手たちはその期待に応えたいと強く思ったのではないだろうか。

今年は一つの戦術に固執することも少なく、かといって相手に合わせるわけでもなく、自分たちのプランを確実に実行しているように映る。

勝つためにいま自分たちができる、最大限のことをピッチ上で表現している。

それを実現させるには、やはり、チーム全員で共通認識を持って挑まなければ成立しないだろう。

今のヴォルティスは単なる「グループ」ではなく、全員が一つの目的に向かう「チーム」となっている。

一戦に集中すること

とはいえ、優勝や昇格が絡めば、先のことを考えて勝ち点を計算し浮き足立ったり油断したりするものだ。

だが、今のヴォルティスは、チーム全員が目の前の試合だけに集中しようとしている。

目の前の結果にこだわり、たとえ負けたとしても次へ引きずらない。その証拠に、連勝の数は控えめなものの、一度も連敗していない。

それは、一つひとつ積み重ねた先にあるのが、素晴らしい景色だということを、みんなが理解し信じているからだ。

信じるものがあるチームは強い。

このような精神状態まで高められているのは、昨季悔しい思いをした選手や監督、スタッフ、熱い想いを持って移籍してきた選手、その他関係者みんなの力だろう。

今季の試合もあとわずか。明日の水戸戦に勝利すれば昇格が決まる。

その戦いに向けた憲さんのコメントがこれだ。

冷静な頭脳と言葉の奥に、燃えたぎる熱い闘志。 
私の好きなチャントに「誰にも止められない 青緑の誇り 抑えきれない赤は 俺たちの情熱」とあるが、まさにそれ、だ。

やっぱりそんな岩尾憲が好きだ。

そして、どこへ行こうとも離れられないほどヴォルティスが好きなんだと思う。


わたしにできることは、最後まで熱い気持ちを持って必死に応援することだけ。

岩尾憲とともに、J1へ昇格したい。


(書きたいことが溢れすぎて取り留めなくまとまりのない、単なるサポーターの感想記録でした。)

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