それでも、岩尾憲のことが大好きだという話。
一晩寝て目覚めても、昨日のことは夢じゃなかった。
新聞の一面が、その事実を教えてくれた。
本当にこの時が来てしまったのだ。
移籍報道があった日から毎時、おそるおそる画面を開いては閉じてを繰り返した。
日が経てば経つほど、絶望も期待も膨らむ。生きた心地のしない日々だった。
そして、この時が来た。
岩尾憲が、徳島ヴォルティスを去る。
覚悟は決めていたはずだった。すべてを受け入れる気持ちでいた。だけど、いざリリースされた時、想像以上に苦しくなった。胸の奥底が重い。辛い。悲しい。