見出し画像

むにみずべ 徳島編02 鳴門の渦潮 渦の道

今や歩いて渡れる長大橋も増えてきましたが、真下で渦を巻く海の上を歩くのは、ここにしかない体験です。
これ知っていますか?


橋を壊してボールを揺らすカルマン渦

カルマン渦の説明としては
余りにもゴージャスな写真 凱旋門

ふと頭上に掲げられた旗を見てみると、バタバタバタ、とはためいているはずです。このはためかせる空気の流れこそ、カルマン渦です。
なんと名前ついているのです。

この渦、流体の中に物体があると発生、左右交互に渦ができるため、旗がはためきます。
さらには強い風が吹くと、十分な対策がない橋を崩壊させ、煙突を破壊するなど甚大な被害を産みかねません。

他にも、野球のナックルボールは、無回転で投げることでカルマン渦がボールに発生し、ゆらゆらと揺れるボールになります。
こうして、打線にも甚大な被害を産むわけです。

そんなカルマン渦は、雲でもみられることがありますが、なんといっても有名なのは、鳴門の渦潮です。


1.5mの落差がある海

まさにこの記事のためのフライトによる
自家製航空写真
左側が大鳴門橋 真ん中は淡路島 奥は本州
まぁ詳しくは掲示板を参照ください

この渦潮、淡路島の絶妙な位置によって、鳴門海峡の前後で海面に1.5mの落差が生じることで、高いところから低い方に向かって、滝のようにドバーッと流れ落ちます。

普通の滝は周りが空気ですが、ここでは周りも海。速い流れと遅い流れが隣り合うことで、かのカルマン渦が生まれるという訳です。

そんな激流の海に架かる橋が、大鳴門橋です。


新幹線ために空けておいた大鳴門橋

四国では悲願となる四国新幹線。本州から淡路島を通り、鳴門海峡から四国へ、愛媛から大分へと抜ける、壮大な計画です。
そう簡単には実現しないこの夢のルートは、全く実際の動きがない中、唯一この大鳴門橋のみ準備万端でした。

何と大鳴門橋、いつかくる新幹線のために
道路の下には空間を確保

しかし、あろうことか大鳴門橋の完成数ヶ月後、
淡路島と本州をつなぐ明石海峡大橋が、道路専用橋として建設されることが決定。

明石海峡大橋は、道路専用になりました

和歌山との間にトンネルを掘るのか、さらに別の長大橋を架けるのか、いずれにせよ四国新幹線の実現は遠のいていきます。
そして近年になると、瀬戸大橋から新幹線を四国に入れる計画が持ち上がり、いよいよ大鳴門橋を通るルートは打ち捨てられようとしています。

夢の新幹線は来ない、じゃあ歩いたろかいということで、
できました徳島有数の観光地、渦の道です。


渦の道

こんな長大橋の下を歩けるだけでも珍しいのに、さらに下には渦潮まであるここ、大変気持ちがいい。
(正直行く前に調べるだけだと、なんぼのもんじゃと思っていましたが…)
正真正銘、唯一無二のむにみずべでした。

では同じように行こうか迷ってる方に向けて、素晴らしさをご紹介します。
何と言ってもまずはその開放感

いかにもインフラな世界から、
少し進むと大自然のただ中に放り出されます
手前右側から左側へ流れ込むのが見えますね
確かに海面に高さの差を感じる
写真ではフェンスが気になりますがね、
実際には全然気になりません

こんな風景をずっと見ながら、展望ゾーン向けて歩いて行きます。

所々に下が見えるガラス
足入りで撮るのが流行っているらしい
本当はもっと海側の渦潮の上で撮るべきですが…
展望ゾーンは、床がパカスカ開いています

さて展望ゾーンでは橋の北側も見通すことができます。

島影は淡路島
うねる海を渦潮クルーズが進みます
そんな中、渦潮の中を小船が
こちらにきます
めちゃくちゃ楽しそう、、
地元の漁師さんかもしれません

さらに、観るだけじゃない渦潮
過酷な潮流の中で育った鯛は、鳴門鯛と呼ばれるブランド魚。魚達も激流の中、身が引き締まりマッチョになっているようです。
最近はうず潮ぶりなるブランドも登場。鍛え抜かれたマッチョウオをお楽しみください。

その名もくるくるなる丼。ウマすぎ
大鳴門橋と市内の間にある
道の駅くるくるなると で食べられます。
甘そうな鳴門金時が置いてあります。
くるくるなるとは、サインもくるくるです

渦の道への行き帰りには、大鳴門橋を真正面から見ることもできます。改めて巨大。

建築よりさらにエンジニアリングの世界ですが、
橋のデザインもかっこいいですね


遠景を観るなら御茶園展望台

渦の道から駐車場に戻る途中、少し坂を登ってぜひとも行くべきスポットがここ、御茶園展望台。
徳島藩主がお茶しながら渦潮鑑潮に興じたのが由来です。その由来だけあって、海峡が、大鳴門橋がとっても綺麗に見えます。

ここから見ると、中央部の海だけが乱れ
流れが周囲と違うのが見えます


船からもみたい渦潮

最後に、渦の道で上から見てしまったものの、鑑潮船もご紹介。大正天皇が皇太子時代に鑑潮船に乗られたとの報により、一大観光地に名乗りをあげた鳴門。
この時の船は何と現存唯一の江戸時代に造られた和船として文化財指定までされています。

現代でもうずしおクルーズとして、予約不要で気軽に乗れちゃう鑑潮船。ぜひお試しください。


以上、鳴門の渦潮 渦の道でした。
いつでも楽しめますが、せっかくなら渦潮が発生しやすい時間を狙ってぜひ行ってみてください。

いいなと思ったら応援しよう!