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むにみずべ 石川編01 見附島タッチ
【1月1日追記】新年早々大地震や津波が発生したとのことで、被害が抑えられ早く元のように活き活きとした能登に戻ることを祈っております。
突然ですが石川編、これ知っていますか?
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軍艦島、と言われたら長崎の端島を思い浮かべる人は多いと思いますが、
東シナ海を統べるのが端島ならば、
日本海はこの見附島が治めていると言えるでしょう。
(無駄にキナ臭い文章を書いてしまいました)
切り立った断崖絶壁の上に、生い茂る緑。岸の近くに突如として立ち上がるその姿は、きっと黒船来航もこのように見えたのでは無いかと想像させます。
むにみずべのポイント
見附島の存在感
浜から150m沖にあるその島の大きさなんと、
高さ30m 長さ150m 幅50m…?
面積は1,147㎡、皆さんよく知る単位で言うと、
東京ドーム0.025個分の大きさです!(?)
まだ分からない人のために、
史上最大の軍艦 戦艦大和と比べると、
吃水10m 全長263.4m 最大幅38.9mということで、なんと正面から見た時の存在感は戦艦大和の約4倍です!!!
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江戸の頃より名所として記録に残っているそうですが、この存在感ですからね。そりゃ気が付きます。
珪藻土でできた能登半島
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さてそんな見附島の地質は珪藻泥岩、お風呂マットとかになる珪藻土です。見附島は能登半島の先っちょ珠洲市にありますが、能登半島はその3/4の土が珪藻土とも言われています。きっと昔の人は風呂上がりに大地を踏み締めていたことでしょう。
実はあの有名な輪島塗も、珪藻土を下地(地の粉)として塗っています。能登は珪藻土に支えられている訳です。
珪藻土は多孔質で水を溜め込むことができ、見附島のフサフサな緑も、珪藻土だからこそ生い茂っているようです。
断層によって生まれ、断層で散る
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そんな中でも断層の動きで形成されたのが見附島です。
詳しくはよく分かりませんが、逆断層でずいっと持ち上がって出来たのではなかろうかと思っています。
でもあの阪神淡路大震災を起こした野島断層が最大1.2mの隆起をした逆断層ですからね。
30mもずいっ!とせり上がったら、日本海くらいならバックリと割れそうです。
断層でできた見附島、無論地震に晒される運命にあります。
1993 能登半島沖地震 一部崩落
2022 能登群発地震 一部崩落
2023 能登半島における地震 一部崩落
断層によって生まれ、断層の起こす地震と共に小さくなっていっています。どうにかこの素敵な景観がずっと見られると良いのですが。
地震と共に崩落していく見附島。実はここの最大の面白さである、島近くまで行ける踏石もまた、崩落して付近にゴロゴロ落ちていた岩を地元住民が並べたことにはじまるようです。
海を越える踏石
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他の追随を許さない地理的な特徴に加え、
この地元住民によって作り上げられた踏み石こそが、
体験としての圧倒的な面白さと、
この場所の歴史的な特徴を生み、
むにみずべとなるポイントです。
しかも!!ただ踏み石で海を渡るだけではないのが、見附島です。
島に向かう踏み石が岸から延びていたら、
当然島まで行けると思うじゃないですか。
なんとぎりぎりまで行ったのに踏み石は途中で終わってしまうのです。このなんとも言えない遊び心はいったいどういうことなのか。
観光地として整備していたらきっと歩きやすいデッキになって、島の周りまで行けていたでしょう。それでも珍しい場所に変わりはないですが、戦後すぐに住民が謎の頑張りを見せたことで、今でも危なげな踏石が続く、非常に面白いむにみずべとしての存在感を放ち続けているのです。
まぁ水辺を愛するムニからすれば、多少踏み石が無くても、無論最後まで行くしかないということで、ザブザブ海の中を歩き、見附島にタッチしてきました!
(※2023年5月には、どうやら地震の影響で崩落の危険性を鑑み踏み石が立入禁止だったようです、、いつかまた入れる日が来ることを祈っています。)
以上、水の上で、舟ではなく、飛び石という変わったものに乗る体験、見附島でした。