北海道『えこりん村』のアルパカの毛でニットを編んだ話
こんにちは。ファッションデザイナー 村松啓市です。
私たちは、『国産』の羊毛を使用した毛糸を作ったり、セーターを編んだり、ラグを作ったりと、30年前ほど前に失われた産業や文化を復活させつつ、ちょっとワクワクするような製品づくりに挑戦しています。
※その様子はこちらの記事をご参考ください。
その活動の中で、昨年、北海道『えこりん村』さんと出会い、自分たちで飼育した『アルパカ』の毛を採取し、毛糸をつくったので、ニット製品をつくってほしい。という びっくりする依頼をいただきました。
アルパカの顔が見えるモノ作り?
『えこりん村』では、現在 9頭のアルパカを飼育しています。 アルパカ1頭からは、年間 約1kgしか毛を採ることができないため、今回のショールを作るために、5年ほどかかって毛を集め、その毛を洗って撚糸し、ようやく毛糸をつくることができた。というお話でした。 そして、その貴重な毛糸を使って、AND WOOLの手編み機を使用してニット製品をつくってほしい。というご依頼でした。
まさか、そんな形でつくられた『アルパカの毛糸』があるとは思ってもみなかったので、最初はびっくりしましたが、素材はとても美しく、柔らかいものでした。
私たちは、素材が持つ良さをニットの技術で、できるかぎり引き出すことを目標にニットをつくっています。大事につくられた糸を、何度も試行錯誤しながら編み方や、加工を定め、1年近くかけて、ようやくニットストールを先日納品させていただきました。
毛糸をつくるのに5年。ニットを編むのに1年かかったニットストールになります。それほど、イチからつくる『ものづくり』は大変。ということですが、その分、ストーリーも品質も良いものができました。
「作り手の顔や手が見え、お客様に共感してもらったほうが、良い文化がうまれるかもしれない。」という考えのもと、2016年に茶畑の中に、職人の顔や手が見えるAND WOOLをつくり活動してきました。
この度、『えこりん村』さんのご依頼を受けさせていただくことで、ついに牧場どころか、どのアルパカの毛を使用したかどうかまでわかる製品をつくることが叶いました。長く愛される製品に育っていくといいなぁ。と思います。
次回北海道に行くときは、毛を使用させてもらったアルパカの顔を見てきたいと思います。きっと優しい顔をしていることでしょう。。。。笑
この秋から『えこりん村』で販売されますので、近くにお住まいの方。そして、北海道にご旅行の予定がある方は、是非、現地でご覧いただければ幸いです。