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隣り合わせ別世界
泳ぐことが好きです。1番好きなのは、波のない海をざぶざぶ泳ぐこと。シュノーケルは邪魔です。なんなんあれ、上から水入ってくるじゃんか。
都会へ引っ越して半年、母からの提案でスポーツジムの体験へ行きました。色々説明をされましたが、頭の中はプールのことでいっぱい。
水着に着替えて、いざプールへ。
なんと、無数のおチビがスイミングスクールの授業中だった。私が中学2年生まで通って、最後はバックれて辞めたあのスイミングスクール。私は成人会員ということで、はしっこの2つのレーンを泳いだり歩いたり。浅い夕方だったから、成人コースは空いていました。
子供は好きです。好きだけど、怖い子供もいると知っています。もしすれ違い様に「デブ」とでも言われたらどうしよう。なんとなく大人向けのスポーツクラブに子供はいないと思っていたのに…。
今、体験を終えてドトールにいます。運動の後に飲む黒糖ラテのうまさたるや。
結果的に、心配は杞憂に終わりました。同じプールでレーンが分かれているだけ、ほぼ隣合わせで泳いでいるのに、私たちがいるところと、彼らがいるところは全くの別世界だったのです。
なんなんでしょう、このお互いへの無関心さは。泳ぎ始めたら、何も気にならない。子供たちも、泳ぐ順番待ちの間好きにぱちゃぱちゃしているだけでこちらをチラとも見ない。うっかり足がレーンを超えてしまわないように、平泳ぎを控える程度の気遣い。それ以外何もなかった。
思えば自分がスイミングスクールの生徒だった時もそうだった気がする。自分達がぎゅうぎゅう詰めで泳ぐのを待っている間、ふと視界の端をゆっくり歩くお爺さんがいたのを、少し羨ましく思っただけで、後は何の興味もたなかった。
子供にとって知らない大人とは、そんなものなのでしょう。私は彼らにとって紛うことなき大人になったんだ。
長時間泳いだせいか、着替えて出ると始めに説明してくれた年配の職員さんは退勤済みのよう。代わりに、同世代であまり説明慣れしていない男性が入会の説明をしてくれたおかげで、妙な圧を受けずに済みました。
泳いだ後の気だるさと、煩悩がいくらか消滅したかのような脳のスッキリ具合。あー、イタリア語の教材持ってくれば良かったなぁ。きっと捗っただろうに。