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私と素晴らしいアルバイト先との運命的な出会い 前編

時間の制限

親子の衝突で度々話題になるのが、門限、である。

友人と遅くまで遊ぶ時に確実に付きまとってくる問題だ。これがどこまで許容されているかで、親が似た思考を持っているかどうかわかる。

我が家は、アルバイトは遅くとも18時まで。大学生時の門限は0時。

当日決定した外泊は禁止で、外泊したい場合は前日までに報告が必要であった。
門限に関しては、若い娘を持つ家庭として普通だと納得していたが、当日外泊禁止に関しては、恥ずかしながら4回生になっても度々揉めていた。

大学生時は同じような家庭環境の友人がいたこともあり、他の友人が外泊を決めた時や、門限が危ない時などはよく2人で一緒に帰宅していた。
駅までの道を毎回一緒に歩いてくれた彼女には本当に感謝している。

大学生は、母親と本格的に気が合わないことを自覚した時期でもあるので、この話はまたの機会にすることにする。


バイトの制限

高校3年の2月。卒業を間近に控えた私は、アルバイトを始めた。
私の高校はもともとアルバイトは禁止なのだが、3年の年明けから進路の決まった生徒のみ許可が降りていた。

バイトが許可されると言っても、基本禁止の学校。

バイトを始めるには、担任に働く場所の情報が記載されたプリントを提出し、教員会議で許可されないと働き始めることすらできなかった。

しかし私が苦戦したのはそこではない。
バイトがしたい生徒は、まず担任から『この条件の範囲内で働いてくださいね』的なことが書かれた紙が配られる。

記憶は定かではないが、確かこんなことが書いてあった気がする。

•アルコールを提供する店禁止
•18時以降の労働禁止
•日曜日の労働禁止

などなど…
日曜の労働禁止と聞いた時は思わず「え、日曜働けないんですか⁉︎」と担任に聞き返してしまった。当時の担任は苦笑しながら、「教会に行く日だからね」と答えた。

そう。私の母校はキリスト教である。

ちなみに日曜禁止で18時以降禁止なんて、いつ働くつもりだ、と思った方。私の学校は、3年生の卒業間近になると大幅に登校日数が減るので、他の平日に働く時間はあるにはあった。

しかしそれでも厳しい条件であることに変わりはない。

高校生アルバイトは基本放課後に働くと思われているので、多くのバイト先が夜間働くことを要求してくる。日中は、大学生やパートの人で埋まっていることが殆どなので、日中しか働けない高校生などどこも必要としていなかったのだ。

周りの友人はというと、当然そんなルール守っちゃいなかった。

日曜に働いていないか教員が確認に来るわけではないので、そんなルール守って探すだけ損なのである。

私もこんな条件守るつもりはなかった。

だがしかし、それを許さないのが私の母である。

破って良いわけがない、全ての条件を満たしたところで働け、と言い渡された。
さらに母は、最寄駅でしか働いてはいけない、という新たな条件まで追加してきた。
こうして私の半ば絶望的なアルバイト探しがスタートした。


バイト先探し

チョコレート販売員

最初に応募に行ったのは、母に勧められたチョコレートの短期販売員であった。

季節は1月。指定された面接会場には多くの女性が訪れていた。
しかし年齢層がだいぶ高い。高校生どころか大学生すら居なかったような気がする。

3人1組の集団面接を行い、合格の方のみ連絡します、と言われた。

一緒に面接を受けた女性の1人は、仕事を辞めてしばらく働いておらず、社会復帰のための第一歩として応募した、的なことを答えていた気がする。

その後、この会社から連絡が来ることは無かった。


スーパーのレジ打ち

続いて応募したのはスーパーのレジ打ち。
最寄駅にあるよく利用するスーパーだったこともあり、商品の大体の位置は把握していたため、これは強いだろうと意気揚々と面接に臨んだ。

が。

従業員控室で面接してくださったのは若い女性。
形式的に志望理由と希望勤務時間を聞いた彼女は渋面を作った。

「う〜ん、夜入れないかぁ…」

「すみません、高校の規則で…」

「そうだよねー…夜入れる子が欲しかったんだよねー…」

私は、これはダメだな…と落胆しながら、すいません、と繰り返す。

まあでも可能性はあるから一応書類だけ書いてって!と言われ、個人情報や希望勤務時間を記入する紙を渡された。

年末年始やクリスマス、ゴールデンウィークなど人が増える休暇に出勤できるかチェックを入れる欄があり、年末年始を除いて全てチェックを入れる。

そして書類を返すと、彼女が一言。

「あ、うち年末年始入れない子は取ってないけど、これで良い?」

「…え」


考えてみればスーパーにとって年末年始は重要イベントである。
もちろんその後このスーパーから連絡が来ることは無かった。


某コンビニ

続いて応募したのは、裏にパン屋が併設してあるタイプの某コンビニチェーン店。

採用ページには、レジ担当と記載があった。

応募のために店まで電話をかけると、対応してくれた女性が一言。

「パン作ってもらいますので朝5時から出勤してもらいます。」

5時。しかもパン工房の方での採用だと言う。

募集要項と違うんですけど⁉︎と激昂するわけにもいかず、「じゃあ…大丈夫です…」と言って電話を切った。

5時だろうが関係ない!働かせていただけるならやります!!というやる気は私には無かった。


焼き鳥屋

続いて応募したのは、フードコート内の焼き鳥屋さん。

電話したところ、簡単に希望時間を聞かれ、その時点で「夜入れない人は無理です」と言われ呆気なく終了した。




そして次の応募でようやく私の初めてのバイト先が決定する。

やたら長くなってしまったので、そのバイト先との出会いは次の投稿で書きたいと思う。

それでは。

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