冬は閉蔵、春は発陳の季節
日本での季節は、
春・夏・秋・冬の四季に分類されるけど、
中医学ではこれに「梅雨」が加わって
五季(ごき)となる。
五季にはそれぞれ特徴があって、
今まさに寒さを極めている冬は、
「閉蔵(へいぞう)」の季節だと言われている。
意味は、
寒さを凌ぐように内にこもる、溜め込む、まさに蔵に閉じこめるようなイメージ。
動物や虫たちが、寒い冬のあいだ冬眠しているようなあの感じ。
わたしたち人間は、さすがに冬眠するわけにいかないが、
なるべく冬はあまり外を出歩かずに暖かい家の中でじーっとしている、のが理想だというわけだ。
からだはそれに合わせて、寒さに耐えられるように脂肪を溜め込んだり、過度に排出しすぎないようにコントロールしている。
なるべく、代謝をさせないように、省エネ運転を心がけている。
なのだけど、
わたしたち人間は、寒ければあたたかい部屋のなかで、思う存分に飲んだり食べたりもするし、何ならついつい食べ過ぎたりもする。
その結果、冬は太りやすい。
悲しいかな、
省エネ運転中のからだにとっては、
必要以上に、摂りすぎているというわけだ。
だけど、冬の味覚はこれまたおいしいので、やめられない。。
あたたかい部屋で食卓を囲むのって、
最高に幸せなんだもの。
冬の寒さ(陰)が極まれば、
次は陽に転じてあたたかくなってくる。
待ち遠しい、春がやってくる。
春は「発陳」
冬の「閉蔵(へいぞう)」に対し、
春は「発陳(はっちん)」の季節と言われている。
発陳の、
発とは「発散させる」という意味で、
陳とは「古いもの」という意味。
ようするに、
「古いものを発散させる」というのが、「発陳」の季節だということ。
デトックスの季節が、春なのだ。
冬に溜め込んだ、
からだのなかの要らないもの(古いもの)をどんどん吐き出していく、
「解毒(デトックス)」が必要な時期。
そんな時に大活躍なのが、
「山菜」やアブラナ科の野菜なんかの、濃い緑の葉野菜たち。
少しほろ苦くて、えぐみがあるようなものに、「解毒」の作用をたくさん含んでいる。
すこし酸味をプラスして、クタクタにしすぎず素材の食感を残した食べかたが理想的。
これはまた、別の機会にまとめてみようと思う。
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