本当に大切なものは、目に見えないもの
親子の対話:大切なものって、何だろう?
子ども
「ねぇ、お父さん、大切なものって何だと思う?」
お父さん
「大切なものか…。それはね、目には見えないことが多いんだよ。」
子ども
「目に見えない?どういうこと?」
お父さん
「たとえば、家族みんなでいる時間とか、友だちと遊ぶときの楽しさとか。お金やものみたいに形はないけど、それがないと幸せって感じられないでしょ?」
子ども
「たしかに…。でも、ゲームやおもちゃも大事だよ?」
お父さん
「もちろんだ。でも、そのゲームで遊んで楽しいのは、勝てた嬉しさや一緒に遊んだ人との時間があったからじゃないかな。つまり、その背後にある『気持ち』や『関係』こそが本当に大切なんだよ。」
特別なものは、自分が時間をかけたもの
子ども
「じゃあ、お父さんにとって特別なものって何?」
お父さん
「いくつもあるけど、一番は君たち家族だね。お父さんは君たちと過ごす時間が本当に大切なんだ。」
子ども
「どうして?家族ってずっと一緒にいるじゃん。」
お父さん
「そう思うだろう?でも実は、一緒にいられる時間って限られているんだ。お父さんもね、君くらいの年齢のとき、おじいちゃんやおばあちゃんともっと話しておけばよかったなって思うことがあるんだよ。だから、今しか作れない思い出を一緒に作ることが大事だと思ってる。」
子ども
「思い出って、そんなに大事なの?」
お父さん
「たとえば、君が金魚を飼ってるだろう?あの金魚はどうして君にとって特別な存在になったか、考えたことある?」
子ども
「うーん…毎日エサをあげたり、水を替えたりしてるからかな?」
お父さん
「その通り。君が時間をかけて世話をしているから、金魚が特別な存在になっているんだよ。それと同じで、君が時間を注いだものは、君にとって特別なものになるんだ。」
責任を持つことで成長できる
子ども
「でも、大切なものを守るのって大変じゃない?」
お父さん
「確かにそうだね。何かを守るには責任がついてくる。でも、それがあるから人は成長できるんだよ。」
子ども
「責任って、どんなときにあるの?」
お父さん
「お父さんが仕事で頑張るのも、君たち家族を守りたいからだし、君たちに幸せでいてほしいからだ。たとえば、君が今金魚を世話しているように、大切なものには手をかけてあげないといけない。そうすることで、君自身も強くなるんだよ。」
子ども
「強くなるって、どういうこと?」
お父さん
「自分だけのことじゃなくて、大切なものや人のために行動できるようになるってことだよ。それは簡単なことじゃないけど、それができるようになると、君はもっとカッコよくなるし、人から信頼されるようになる。」
別れや変化を受け入れる
子ども
「でもさ、大切なものがなくなるときは悲しいよね。」
お父さん
「それは当然だよ。悲しいときはちゃんと悲しんでいい。でも、別れや変化があるからこそ、新しい出会いや発見があるんだ。」
子ども
「新しい出会い?」
お父さん
「たとえば、お父さんも転職したときに、以前の仲間と離れるのは悲しかった。でも、そのおかげで新しい仲間に出会えたり、新しいことに挑戦する機会が増えたんだよ。だから、別れは次の一歩を踏み出すきっかけでもあるんだ。」
子ども
「でも、やっぱり別れるのは嫌だな。」
お父さん
「それでいいんだよ。嫌だと思うのは、それだけその時間や相手を大切に思っている証拠だ。それを忘れなければ、きっと新しいステージでも君らしくやれるさ。」
目に見えないものを信じる力
子ども
「目に見えないものを信じるのって、難しくない?」
お父さん
「確かに難しいよね。でも、自分の心に正直に感じたことを大切にするのが一番だと思う。たとえば、誰かの優しさや信頼、家族といる安心感。そういうものは形にできないけど、本当に価値があるものなんだ。」
子ども
「じゃあ、それをどうやって見つければいいの?」
お父さん
「焦らなくていいよ。まずは今の自分が大切だと思うものに、しっかり向き合うこと。それを続けていくうちに、自分だけの大切なものが自然と見つかるはずだよ。」
締めの言葉
この記事を読んでいるみなさんに問いかけたいと思います。
「あなたにとって、本当に大切なものは何ですか?」
私たちはつい、目に見える成果や物ばかりを追いがちですが、本当に大切なものは目に見えないところにあるものです。信頼や愛情、時間の積み重ねがその価値をつくりあげます。ぜひ、いま目の前にある「大切なもの」にもう一度目を向けてみてください。
ちなみに、この話のきっかけは、以前読んだ『星の王子さま』という本にありました。あの物語に出てくる「本当に大切なものは目に見えない」という言葉が、私の心に深く刺さったんです。もし読んだことがなければ、ぜひ手に取ってみてください。きっとあなたなりの大切なものを見つけるヒントになると思います。