写真に残せなかった景色 in メキシコ
旅先ではたくさん写真を撮る。といっても自分が写真を撮るのが好きなんだなと気づいたのは2年ほど前で、それからはカメラを持ってよく旅をする。
でも、どんなに撮りたくても写真に残せない風景というのは、絶対にあるものだ。それを残念だなと思う一方で、だからこそ忘れられない記憶にすることもできるんじゃないかなと思った。希望を託して、撮ることのできなかったものを文章に残しておく。
行きのエアカナダの機内で脱走していた毛並みのいい犬
機内で前の席から脱走して、1時間余りも友人の足元で寝ていたダックスのような犬。あまりにも予測不能で、写真に撮るなんて思いつきもしなかった。あとで、撮っておけばよかったわ〜と後悔した。
メキシコシティのカテドラルの中
カメラは禁止のマークがついていたので撮らなかった。撮っている人もいたので、もしかしたらフラッシュがダメなだけかもしれないけど。美しい装飾が壁一面に施されていた。
メキシコシティからサンミゲルに向かう間に放牧されていた馬
ツアーのバスから。田舎の風景が流れる中、時折動物を見た。数頭の馬、牛など。数匹だけしかいないので、見つけたと思ってもカメラを起動したらもういない。同じく写真が間に合わなかった物の中に、牛をたくさん運んだトラックもあった。動物はランダムに出てくるので、目に焼き付けた。
カンクンのピンク色の夕焼けに、おもちゃの綿菓子のように浮かぶ雲
公共のバスの車窓から。ふとスマホから目を上げると、ピンクに染まった空に綿菓子の雲が並んでいる、フィクションのような空が見えた。ケイティーペリーのMVかと思った。夢夢しい景色だった。
ユカタンのボートクルーズで、めちゃくちゃ泥パックを満喫していた人
ボートクルーズに含まれる泥パックで、同じツアーのおじさんが顔までパックを塗っていた。1人だけ真っ白になっていて、ご夫妻で終始楽しそうに旅行されていた。
撮ることのできなかった景色が、少しずつ薄れたとしても私の頭のどこかには残り続けてくれますように。