砂師の娘(第十八章C面闇の中の手当)
祭祀長は手に持った茶碗を壁に叩きつけた。
「お前、耳が遠いふりなどをして、なにゆえにわしに付きまとう?」
年老いた神官の強く掴まれた喉首が大きく膨らんだ。
「さあ、言え、なにゆえに頼まれもせぬ、血止めの薬湯などを用意しておった?」
神官の苦し気なまばたきに、祭司長はいらいらと掴んでいた手を放した。
暗い怒りが湧き上がってくる。この神官が見せる馴れ馴れしさを許した自分にも腹をたてていた。
祭祀長はいらいらと手を振った。しばらく声もなく、ぼろ布のように倒れていた神官が,漸くの事に