紀伊国亭むじな

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  • 『火曜倶楽部~財前真古の考察~』

    イギリスが誇るミステリーの女王アガサ・クリスティが生み出した名探偵「ミス・マープル」。 舞台を昭和30年代の日本に置き換えた翻案作品にしてみました。舞台を日本にしたことで様々な改変をしています。ぜひ原作と比較しながらお楽しみ下さい。

最近の記事

『阿修羅の祠』〈1:遍檀和尚の話〉

登場人物 財前 真古:老婦人 西門 禮介:作家、真古の甥 栗崎 輪太郎:退役警官 遍檀和尚:僧侶 蘭部 理恵:画家 辺沢 陸生:司法書士 兵頭理智弥:「静ケ森館」主人 兵頭於斗也:弁護士・理智弥の従兄弟 箕輪茉奈:招待客・身分の高い女性 箕輪 菫:茉奈の娘 三郎次大作:退役軍人 三郎次靖乃:大作の妻 徳田志門:医師 狩矢飛鳥:招待客・社交界の華 ------------------------------------------------------------

    • ティータイム~閑話休題〈火曜倶楽部 編〉

      翻案にあたってのこぼれ話を閑話休題として記したいと思います。 *固有名詞の翻案 ・地名 三井戸村 原作ではセント・メアリ・ミード村。正式な地名は神奈川県泉都郡目有市三井戸村。 「パディントン発4時50分」をやるなら、首都からそこそこの距離がある場所でないと…と思い、鎌倉あたりが良いかな、という安易な気持ちで神奈川の山の方にある村として設定しました。 適当に設定した後Wikipedia見ましたら、ロンドンから約40kmの位置にあると書いてあり、ホッとしました(笑) ・登

      • 『火曜倶楽部』〈3 真相〉

        『火曜倶楽部』〈3 真相〉 「——それでは、まず…和尚からお願いしましょうか」 腕時計を見やって、禮介がそう言った。しかし、遍檀和尚はあまりはかばかしくないように首を横に振った。 「白状致しますが、拙僧はいやはや無明の境地といった有様でしてな。どう考えても夫が何らかの意味で犯行に係わっておるとしか思えませぬが、はてさて、どうやってそのような離れ業をやってのけたのか。たった一つ得悟できるとするなら、夫は未だ判明しておらぬ方法で妻に毒を盛ったに違いありますまい。ただ気になります

        • 『火曜倶楽部』〈2 事件〉

          登場人物 登場人物 財前 真古:老婦人 西門 禮介:作家、真古の甥 栗崎 輪太郎:退役警官 遍檀和尚:僧侶 蘭部 璃恵:画家 辺沢 陸生:司法書士 定塚 或人:製薬会社販売員 定塚 苑子:或人の妻 定塚 実里:苑子の伯母 倉出 リン:定塚家女中 今泉 夫人:定塚家女中 小坪 医師:診療所医師   -------------------------------------------------------------- 『火曜倶楽部』〈2 事件〉 「皆さんの求

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        • 『火曜倶楽部~財前真古の考察~』
          4本

        記事

          火曜倶楽部<1:倶楽部発足>

          登場人物 財前 真古:老婦人 西門 禮介:作家、真古の甥 栗崎 輪太郎:退役警官 遍檀和尚:僧侶 蘭部 理恵:画家 辺沢 陸生:司法書士 -------------------------------------------------------------- 火曜倶楽部』<1 俱楽部発足> 【昭和32年 神奈川県 三井戸村】 「未解決の謎-」 西門禮介は紅茶のカップから口を話し、ふうっと大きく息をつきながらそう言った。いくらかわざとらしい、何か楽しんでいるか

          火曜倶楽部<1:倶楽部発足>